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2015年 12月 18日
判断と実行と
判断と実行と_e0273912_12352912.jpg”どんな仕事でも、仕事をやるからには判断が先立つ。判断を誤れば、せっかくの労も実を結ばないことになろう。しかし、お互いに神様ではないのだから、先の先まで見通して、すみからすみまで見極めて、万が一にも誤りのない100%正しい判断なんてまずできるものではない。できればそれに越したことはないけれど、100%は望めない。それは神様だけがなし得ること。お互い人間としては、せいぜい60%というところ。60%の見通しと確信ができたならば、その判断は概ね妥当とみるべきだろう。その後は、勇気である。実行力である。いかに的確な判断をしても、それをなしとげる勇気と実行力がなかったなら、その判断は何の意味も持たない。勇気と実行力とが、60%の判断で、100%の確実な成果を生み出していくのである。60%でもよいから、お互いに、謙虚に真剣に判断し、それを100%にする果断な勇気と実行力とを持ち続けてゆきたいものである。”(道をひらく)

かつて、東大の沖中教授が誤診率14%と発表し、世間はそんなに高いのかと思い、医者はそんなに低いのかと驚いたというお話があります。(歯科、特に補綴における診断とは何なのか、という問題もありますが、)補綴した時から、口腔内も体も社会環境も日に日に変化しているわけで、ある一時期だけを見て100%の正解を導きだすことは非常に難しいことです。さらに、(咬合高径・顎位・咬合平面の変更といった)全顎的な再構成を行った場合には その変化量はさらに大きくなったとしても不思議はありません。そういった意味で、(難しいことではありますが)補綴後の状態を見通した上での判断が必要であると思うのと同時に、避けられない経年的変化に対応できる状態にしておくことが大事なのではないかと思います。
ただその一方で、判断(診断)と実行(処置)の精度をでき得る限り上げなければいけない、ということは言うまでもありません。

by nakadateshika | 2015-12-18 07:27 | 欠損補綴・高齢者 | Comments(0)


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