MRONJについてのまとめです。
1.MRONJの発生頻度はかなり低い。しかし、一旦発症すると症状が重く治療が困難であるため、予防が重要である。
2.代謝回転の遷延や血管新生阻害などにより、骨壊死が生じやすくなることが誘因であると考えられる。
3.歯性感染→腐骨形成、腐骨形成→感染→骨髄炎、いずれのパターンも考えられるが 感染によって病態が増悪することは確かなので、口腔衛生状態の改善と感染源の処置を可及的に行うことが大事である。
4.休薬の効果は不明であるため、全身状態を考慮したうえで 休薬・外科処置の適否を判断する。
5.インプラントへの影響なども不透明だが、必要最小限の処置に留めることが妥当と思われる。
歯を守ることは、歯科医療に課せられた重大な使命です。しかし、超高齢化社会という歴史上類を見ない社会構造の中では、(MRONJに限らず)歯があることによる問題が起こりえるというのはなんとも悩ましいところです。この問題への明確な答えを出すことは容易なことではありませんが、歯科医療が今後どう向き合っていくのかということについては考え続けなければならない重要なテーマであることは間違いないと思います。