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2016年 11月 08日
廃炉への道
こちらも、というよりこちらの方が日本人としては大きな問題でした。あの地震から5年、未だに見通すことすらできない廃炉に必要な時間と費用、そしてそれがいつの間にか国民負担に繋がっている事実、どれも自分にとっては衝撃的でした。電力の安定供給のためには仕方がないという論法は確かにわからないでもありませんが、そのリスクは余りにも高すぎます。日々 電力を酷使している自分が言える立場ではないのかもしれませんが、今の暮らしのあり方を維持していく 向上させていくためにはもう後には戻れないという考え方は、どこか電通の問題とも繋がっているような気がしてなりません。いつかリスクのないエネルギー源が生み出されるのではないかという科学への淡い期待を背景に、ひたすら前に進むことの危険性を感じるとともに、新たに得ることのベネフィットよりも今あるものが失われることのリスクを考えなければならないのではないかと感じました。

”日本人のは妥協じゃないんだ。単なる頬かぶりですよ。ただ問題を先へやっとこうというわけだ。臭い物には蓋をしろというんだよ。そうじゃなくて、いつか始末しなけりゃならないんだから、外へ出したらいいんだ。”
”宇宙は神様が創ったというのなら、人間のやることはそろそろ人間の縄張りを脱しかけているのではないだろうか。”

東北電力の初代会長を務めた白洲次郎は お隣の東京電力とやり合うことも多かったそうですが、東北電力では彼が推進した安全対策へのプリンシプルがその後も受け継がれ、それが女川と福島との違いを生み出したという説もあるようです。実際どこまで本当なのかはわかりませんが、科学の限界と危険性をどこかで感じていたのかもしれません。

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by nakadateshika | 2016-11-08 08:06 | 社会・生活 | Comments(0)


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