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2016年 04月 30日
プロフェッサーの結論
e0273912_728150.jpg1. たとえ不正咬合であっても、顎口腔系に問題が生じていなければ 介入すべきではない。

2. 顎口腔系に問題があり、オーラルリハビリテーションが必要な状態であれば、数多くある咬合論の中からどれか一つを選択して治療を進めるべきである。あらゆる咬合論を実践した長年の経験から、どの咬合理論も大差がないということがわかった。すなわち、重要なことはどの咬合論(咬合器)を選択するのか、ということではなく、歯科医師や歯科技工士が何を考え咬合器をどのように使うのか、ということである。

3. オーラルリハビリテーションを行う症例は、大きく二つに分けられる。
①咬合崩壊の原因が、患者の不注意(プラークコントロール不良)や医原性(咬耗を引き起こす材料の使用など)などにあり、かつ十分なメインテナンスを行うことができる場合には、良好な術後経過を期待できる。
②咬合崩壊の原因が、全身的な問題(神経筋機構・遺伝・全身疾患など)によるものであれば、いかに経験豊富な優れた術者が治療を行ったとしても、残念ながら少しづつ歯を失っていくことは避けられない(その速度を遅くすることはできるが)。

まだまだ経験不足の自分には、巨匠の真意を掴むことはできませんが、症例とその介入時期によって、攻めてもよいものとそうでないものとがある、という風に解釈しています。その判断基準が難しいところですが、既往歴や現症、そしてプロビジョナルの経過を注意深く読み解く以外にはないという気がします。

by nakadateshika | 2016-04-30 07:28 | 咬合論 | Comments(0)
2016年 04月 29日
only individual normals
e0273912_20462595.jpg少し間があいてしまいましたが、Schweitzer先生の本を少し読んでみました。

"It is well to remember that, similar to the occlusion of human beings,
there seems to be no group normals, only individual normals.
(咬合論と同じく、全ての患者に共通する正常像というものは存在せず、あくまで患者それぞれにとっての正常像があるということを忘れてはならない)”

64年間の臨床の中で、ナソロジーをはじめとするあらゆる咬合論を実際に行い その結果を報告している先生ですから、その言葉には底知れぬ重みがあります。どうしても画一的な理想像に固執してしまいがちですが、患者さんそれぞれにとって、またその時点において何が最適なのか、よくよく考えてみる必要があるということを改めて感じました。

by nakadateshika | 2016-04-29 20:46 | 咬合論 | Comments(0)
2016年 04月 21日
憧れが原動力
e0273912_12341415.jpgエチオピアに暮らす「世界一ファッショナブルな民族(スリ族)」の写真集です。フォトグラファーのヨシダ ナギさんはまだ20代の女性ですが、単身アフリカに渡り 裸族と共に裸になったりしたことでメディアに紹介されて有名になったそうです。

”いつか憧れの彼らに会いたい、と心の中でずっと思いながらも、10年近くアフリカとは全く縁の無い生活を送っていた。ずっとアフリカに行きたかった。だけど、英語なんてまったく話せなかったから、その恐怖で最初の一歩がなかなか踏み出せずに悶々としていた。しかし、人間というのは面白い生態を持っているようで、ある日突然迷いが吹っ飛ぶことがある。散々、英語が話せないことを気にしていたのに、突然どうでもよくなった。そんなくだらない心配事よりも「アフリカ人に会いたい!」という思いが勝った2009年、私はようやくアフリカの大地に足を踏み入れることになった。”

僕は2008年に基本ゼミを受講しました。今から思うとほとんど理解できていなかったと思うのですが、綺羅星の如く居並ぶ講師の先生方が提示される美しい症例スライドに、目も心もすっかり奪われ、講師の先生方に憧れを抱いたことを今でも鮮明に覚えています。その後、須貝歯科医院での勤務という幸運にも恵まれ、なんかよう会・火曜会にも足を踏み入れることができました。正直言って、基本ゼミを受講していた頃には とてもそのような状況になるとは想像もしていませんでしたが、憧れだけを原動力になんとか進んできたような気がします。今のところは兎に角 真似ることで精一杯ですが、いつかは写真集の彼らのようにオリジナリティー溢れる歯科医師になってみたいものだと思います。

by nakadateshika | 2016-04-21 12:34 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 04月 17日
孫の代まで
e0273912_21551425.jpg先週末は、第二回目の基本ゼミでした。今回は残念ながら土曜日の講義には出席できず、懇親会からの参加となりました。

日曜日は須貝先生が担当され、昨年出版された『子どもたちを健全歯列に導くためのコツ』をベースに、子どもたちの口腔内を管理していくうえでの心構えや具体的な対応策などについて、豊富な臨床例を通じて とてもわかりやすくお話されていました。
講義の中では、目指すべき歯科医師像の話題もあり、運営側の立場でありながら とても勉強になりました。なかでも 「子どもの時からみている患者さんを、(医院として)生涯見続けていくために 自分の孫も歯医者にさせる!」というお話がとても印象的でした。閉塞感が漂う歯科業界で、子どもを歯科医にすることすら躊躇ってしまうような状況ではありますが、歯科医という職業のやりがいや使命、そして楽しさを改めて教えていただいたような気がしました。

そして 永久歯列の完成後、口腔内は時間とともに衰えていくことは避けられない という事実に目を向けたとき、最初に(永久歯列完成時)できるだけ良い状態でスタートを切ってもらえるように対応していくことが、ホームドクターにとっては 極めて重要なことだということを 改めて感じました。

by nakadateshika | 2016-04-17 21:55 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 04月 14日
言葉のちから
e0273912_16521049.jpg「お帰りなさい。今日も遅くまでお仕事がんばったね。お疲れ様!」

なかなか司会というものも難しいものだなぁと、浮かない顔で家に帰ったのですが、4歳児からこんな言葉をかけられて ちょっと感動してしまいました。本人としては何気なく発した言葉なんだと思いますが、”言葉のちから”の大きさというものに改めて気付かされました。そして、いつも言葉足らずの自分を 大いに反省した次第です。

by nakadateshika | 2016-04-14 16:52 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 04月 13日
コラボレーション
e0273912_7201966.jpg昨日の例会は、実行委員お二人のコラボレーションでした。
図ったわけではないとのことでしたが、両症例ともに咬合崩壊が進んだ欠損歯列の症例でした。多彩な必殺技をお持ちのご両人ですから、飛び道具の応酬になるのか と思われましたが、さにあらず。最終的なゴールを常に見据えながら、咬合再構成に必要なステップを一つ一つ丁寧に、そして確実に積み重ねることで見事にまとめられていました。両症例に対する基本に忠実な治療を拝見しながら、(自分が言うのもおこがましいですが)60年前から脈々と受け継がれてきた思いがしっかりとつながっているのではないかと感じられました。初代実行委員長もそのつながりを感じられたのか、久しぶりに懇親会にも出席され、終始ご満悦の様子でした。

by nakadateshika | 2016-04-13 14:00 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 04月 12日
仮面ライダー1号
e0273912_9424066.jpg「生きるとは 仲間達と心をつなぎ、未来へと命をつなぐことだ。」
「命を脅かす環境破壊、戦争、飢餓、暴力…、それらの原因は全て命を繋ぐ上に起きている人間同士の争いなんだ。我々自身の中にある傲慢なる自己中心主義、エゴイズムだ。」

今回の映画は、初代仮面ライダー(1号)と現役ライダー(ゴースト)のコラボレーション企画でした。そのせいもあってか、子ども達に混じって1号世代の大人の方々も観客席にちらほら見受けられ、命の尊厳・原発問題・青少年問題といったテーマも取りあげられていました。さすがに子ども達にとっては難しすぎる話題で キョトンとしていましたが、大人にとっては 考えさせられるところが多い映画でした。必殺技の華やかさでは現役ライダーに遠く及ばす、パンチとキックという基本的な技と肉体で悪の組織と闘っていた初代ライダーですが、最も重要な心の強さにおいては現役ライダーの数段上でした。今はまだ、初代ライダーが太っていることにしか目が行っていない息子にも いずれその凄さを伝えたいと思っています。

by nakadateshika | 2016-04-12 08:25 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 04月 09日
入学式
e0273912_6121981.jpg娘の入学式に出席してきました。ついこの間まで 手を繋いで歩かないと危ないと思っていた子どもが、本当に一人で登下校できるのか心配でなりませんが、子どもの適応力にはいつも驚かされているのできっと大丈夫なんだろうと思います。

入学式の式次第は、自分の時と大きな違いはありませんでしたが、校長先生が挨拶の時に腹話術を披露されているのには驚きました。保護者達からはやや苦笑がもれていましたが、子ども達には大ウケで 先生方もプレゼンテーションには色々と工夫されているんだなと感じました。

その後、1年生担任の先生方による寸劇もありました。子ども達が、いつもニコニコ・はきはき・ワクワクする心が持てるように魔法をかけるというもので、それを楽しそうに聞いている子ども達をみてとても微笑ましく思いましたが、むしろその魔法は自分にかけて欲しいと願っていたのは 未熟な父のほうでした。

by nakadateshika | 2016-04-09 06:02 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 04月 06日
科学者のあたま
e0273912_8363514.jpg素晴らしい本に出会いました。

”頭がよくて、そうして、自分を頭がいいと思い 利口だと思う人は、先生にはなれても科学者にはなれない。人間の頭の力の限界を自覚して大自然の前におろかな赤裸の自分を投げ出し、そうしてただ大自然の直接の教えにのみ傾聴する覚悟があって初めて科学者になれるのである。しかしそれだけでは科学者になれないことももちろんである。やはり観察と分析と推理の正確周到を必要とするのは言うまでもないことである。つまり、頭が悪いのと同時に頭が良くなくてはならないのである。”

”分類は精細にすればするほど多岐になって、結局分類しないと同様になるべきはずのものである。しかしこの迷理を救うものは「法則」である。皮相的にはまったく無関係な知識の間の隔壁が破れて二つのものが一つに包括される。かようにしてすべての戸棚や引き出しの仕切りをことごとく破ってしまうのが、物理科学の究極の目的である。隔壁が除かれても もはや最初の混乱状態には帰らない。なんとなれば、それは一つの整然たる有機体体系となるからである。できあがったものは結局「言語の糸で綴られた知識の瓔珞(ようらく)」であるとも言える。また、「法則」はつまりあらゆる言語を煎じ詰めたエキスであると言われる。”

寺田寅彦は 傑出した物理学者だっただけではなく、夏目漱石や幸田露伴とも交流があった優れた文学者でもありました。この本は中学生向けにまとめられたものですが、大人にとっても充分読み応えのある素晴らしい随筆が数多く収録されています。それにしても 観察・記録・分類などなど、優れた科学者達の頭に浮かぶタグには どうやら共通項が多いようです。


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by nakadateshika | 2016-04-06 08:36 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 04月 05日
集大成
e0273912_7473316.jpgSchweitzer先生の集大成(4冊目:全373ページ)を コピーしてきました。64 years of Active Practiceとサラッと書いてありますが、その重みは計り知れません。

※記事に関して東京本社より 『東京オリンピックには追い越せる!!』という熱いコメントが届けられ、自分も胸を熱くしています。オリンピックより一足早い金メダルの瞬間を間近で目撃できるように、自分も頑張りたいと思っています。
ただ、自分の場合は 実家に帰ってきたのが35歳なので、64年後は99歳。記録更新は難しいようです(もちろん中身も違いますが・・・)。

by nakadateshika | 2016-04-05 07:47 | 欠損歯列 | Comments(0)