<   2016年 06月 ( 12 )   > この月の画像一覧

2016年 06月 24日
機能と形
e0273912_1840178.jpg臨床ファイルⅤが完売しました。

”美しきもののみ機能的である。(丹下 健三)”
生体はまさに究極の機能美であるといえます。本書を読むと、生体の欠損を補うパーシャルデンチャーも、できうる限り美しく そして機能的であるべきだ、という思いがひしひしと伝わってきます。また 経過の中で生じる生体の様々な変化に応じて、その機能と形を巧みに変えていくパーシャルデンチャーを目にすると、「可撤性の可能性」を改めて感じます。

巻末Vol.6には、昨年のもくあみ会・事後抄録(犬歯の使い方を考える)も収録されています。社会環境の変化に伴い 自分達世代の歯科医師に求められる機能と形も変わっていくのかもしれませんが、「臨床記録と経過観察」というモットーは 変わらず引き継いでいって欲しいという先達からのメッセージなのかもしれません。

by nakadateshika | 2016-06-24 19:24 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 06月 22日
咬合崩壊と二次固定
e0273912_2154323.jpg
もくあみ会事後抄録「咬合崩壊と二次固定」が、来月初旬 いよいよ発刊予定です。

もくあみ会での形式とは異なり、”若手の悩み”と”ベテランの対応”という二部構成に再編集されていることで、 咬合崩壊症例が抱える多くの問題点と それらに対する二次固定(可撤性義歯)の有効性が明確に対比され、とてもわかりやすくなっていると感じました。一般的な書籍では、治療途中で悩んでいるケースレポートを目にすることはありません。しかし 実際に咬合崩壊症例に対峙するとき、(特に若手にとっては)聞いているのとやってみるのとでは大違いで、多くの悩みを抱えることもあると思います。そんな時、同じように懸命に取り組んでいる若手の症例を通して 悩みを疑似体験をすることはとても有意義であり、また 経験がない人にとっては、自分も一歩踏み出してみようという勇気を与えてくれるのではないかと思います。
一方 後半では、(当日あまり時間がとれずに残念だった)ベテランの先生方に症例を追補していただいたことで、より充実した内容になっています。生体・社会環境・考え方、すべてのものが日々変わりゆくという原理原則に目を背けずに受け入れた時、その変化に追随しやすい手段 すなわち二次固定を優先的に選択していくことの有効性を改めて気づかせてくれる症例ばかりです。なかでも、巻末に収録されている金子先生の特別寄稿は圧巻の一言です。役得で一足先に拝読しましたが、以前にご紹介したDr.Schweitzerの息子が記した言葉が頭によぎりました。
”私は本書を読んで、歯科臨床では 疑問ー観察ー記録を 日々繰り返していくことが何よりも重要であるということを学んだ。そして、その結果をありのままに受け入れ、思惑が外れてしまった結果に対しても 真摯に向き合うように心がけている。真の科学者というものは、自分の考えを打ち破られる(否定される)ことを恐れることはなく、むしろ壊されることによって新たな考えに到達することにこそ 喜びを感じるものだから。”

歯科医療とは何か、歯科医師として何をすべきか?この根源的な問いについて考えない日はありませんが、その答えに近づく大きなヒントを この一冊が示してくれるのではないかと思います。

by nakadateshika | 2016-06-22 02:10 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 06月 18日
考えの整頓
e0273912_7122782.jpgピタゴラスイッチや0655のディレクター、佐藤雅彦さんの本です。
”日常には、無尽蔵といっても良い位の不可解な事が潜んでいます。私は二ヶ月に一度来る締め切りを契機として、その日常という混沌の渦の中に見え隠れしている不可解さ、特に新種の不可解さを取り出し、書くという事で整頓してみようと思いました。すると、そこには時として、ものごとを成立させている原理が静影のように横たわっていることがありました。”
ブログの意義にも通ずることだと思いますが、何事もやりっ放しにせず 書いて振り返るということは、考えを整理整頓するうえで とても有効な手段だと思います。

by nakadateshika | 2016-06-18 07:12 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 06月 17日
記録と記憶
e0273912_744627.jpg”小さいことを積み重ねることが、とんでもないところに行く ただひとつの道”
”言葉とは「何を言うか」ではなくて、「誰が言うか」につきる。その誰がに値する生き方をしたい”
”努力をすれば報われると本人が思っているとしたら残念。第三者が見ていると努力に見えるが、本人にとっては全くそうではない、という状態にならなくてはならない。”

もはや、スポーツ選手というより 悟りを開いた禅師の言葉のようで、どれも心に響く名言です。記録に対してケチをつける無粋な人もいるようですが、素晴らしい記録であることに疑問の余地はありません。文字通り、記録にも記憶にも残る偉大な選手だと思います。

by nakadateshika | 2016-06-17 07:44 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 06月 12日
AppleWatch
e0273912_15153688.jpg以前から気にはなっていたもの購入までは考えていませんでしたが、アップルウォッチの中古品がオススメというブログ記事を拝見してから 急遽方針転換し、購入に踏み切りました。 記事のとおり、値段は定価の半額以下なのに 新品と間違ってるのでは?と思ってしまうぐらい綺麗な状態で驚きました。

サイズは38mmと42mmで結構迷いましたが、腕周り16cm以下の細腕には38mmでジャストサイズでした。ただ、パスコードの入力はやりづらいです。。

by nakadateshika | 2016-06-12 15:15 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 06月 10日
セメント質
e0273912_7102193.jpgセメント質は歯の一部でありながら、 (発生学的由来から)歯根膜や歯槽骨と同じく支持組織に属する不思議な硬組織です。概ね1mm以下の厚みしかありませんが、そのおかげで歯が支えられているということを考えるとセメント質のありがたみを感じます。
セメント質と象牙質との境界面には、ホープウェル・スミスの透明層と呼ばれる石灰化層があり、セメント質剥離に関連している可能性もあるようですが、まだよく分かっていないようです。
境界線があると何かと事件が起きやすいものですが、潜水艦で人様の庭に入り込んでくるのは止めて欲しいものです。

by nakadateshika | 2016-06-10 07:40 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 06月 08日
科学と方法 4. 偶然
e0273912_6402591.jpg”ある結果の原因が小さすぎて認識できない場合、あるいは原因が極めて複雑な場合、それは偶然の産物とされる。”

歯科臨床で偶発的な現象といえば、歯根破折が思い浮かびます。歯根破折も”ひと・くち・は”様々な要因が複雑に絡み合い、予見することはとても難しいといえます。完全に防ぐことはできませんが、できるだけ保存的な処置(歯質・歯髄保存)を心がけることと、定期的なメインテナンスによってわずかな変化や予兆を見逃さないようにすることが大事だと思います。

by nakadateshika | 2016-06-08 06:28 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 06月 06日
みんなでつなげ 勝利のバトン
e0273912_863761.jpg土曜日は、長女の運動会に出席しました。今年のスローガンは、「みんなでつなげ 勝利のバトン」というものでした。
小学校の運動会を見るのは30年ぶりでしたが、1年生と6年生との体格差や リレー・組み体操の迫力には驚きました。各組の得点争いも熾烈を極め、優勝は 最後のリレー(6年生)の結果次第、しかも最後のゴールテープ前でも横一線!!というドラマティックな展開に、思わず手に汗握ってしまいました。最終的にはわずか1点差で長女所属の黄組が優勝し、親子共々大喜びでした。本や映画もよいですが、実際に体験するということの素晴らしさを改めて感じました。

日曜日は、静岡歯科医師会の市民イベントに参加しました。市民公開講座では、元日本歯科医師会会長の大久保先生が 「健康長寿社会実現のために〜歯科の役割〜」というテーマでご講演されました。健康長寿のためには「オーラル・フレイル(口腔機能の衰弱)」の予防が重要で、そのためには”歯と口の定期的な管理・適度な運動・社会性を保つこと”が鍵になるということでした。
子育てにも共通することですが、今の社会環境では 家族だけで問題を解決するのはかなり難しいことだと感じます。地域や国 みんなが協力して社会環境から見直すことで、次世代にバトンをつなげていかなければならないのではないかと思いました。
e0273912_15371715.jpg

by nakadateshika | 2016-06-06 08:13 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 06月 06日
科学と方法 3. 発見とは何か
e0273912_748810.jpg”ニュートン以前に幾多の人が林檎の落ちるのを見たということは、疑うべくもない。ただ、誰もそれから何等の結論をも引き出し得なかったのである。背後に何かを潜めているような事実を識別して選び出す力、またその背後に潜むものを認める力をもった精神、粗製の事実の下に事実の神髄を感得する精神がなかったならば、それらの事実からは何者も生れ出ずることがないであろう。(中略)真の発見者とは、事実と事実との間の脈略をあきらかにした人であろう。その脈略を確定するには、ただ一つの新しい単語を発明するだけで足りることも希ではない。この語が想像するのである。”

なかなか難解な文章ですが、グループ分けするためのキーワード(すれ違い咬合など)が見つかると、隠れていた関係性が顕在化して その特徴や対応の仕方が見えてくる、というようなことなのかなと思いました。

by nakadateshika | 2016-06-06 07:48 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 06月 04日
科学と方法 2. 部分と全体
e0273912_684853.jpg”数学が発展するにつれて、全体を包括することは益々困難になってくる。かくて我々はこれを片々に切ってその一片を以て満足しようと、一言にしていえば、専門家になろうと努める。もしかかる方向に向かうことを続けたならば、これは数学の進歩にとって憂慮すべき障害となるであろう。数学の進歩するのは、その各部分の予期しない接触による。あまりに専門家になることはこの接触を妨げることになるであろう。”

18世紀のイギリスでは、ダーウィン(チャールズ・ダーウィンのおじいちゃん)やジェームス・ワット(蒸気機関車実用化の父)、ジョセフ・プリーストリー(酸素の発見)など 多様なジャンルの科学者達が月1回満月の夜に集まり、科学的知見について語り合っていたそうです(ルナー・ソサエティ)。歯科という分野を包括的に捉えることも重要ですが、一歩外に踏み出して 他業種の考え方を知ることもとても意義深いことだと思います。

by nakadateshika | 2016-06-04 06:15 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)