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2016年 09月 29日
ONJの発生機序(仮説)
ポジションペーパーによると、ONJの発生機序は不明とされています。ただ、メカニズムがわからないことにはどのような対応が適切かどうかわからないので自分なりに考えてみることにしました。いくつかの文献を総合すると、下記のような推論が考えられそうです。

1.薬剤の骨吸収抑制効果により、リモデリングサイクルが遅くなる。
2.(顎骨では歯根膜や咀嚼荷重により骨形成が生じやすいため)相対的に骨形成優位となり、結果的に骨梁が肥厚する。しかし内部の骨は置換されず古くなり、薬剤の血管新生の阻害作用も相まって、骨細胞への血液供給が不足し、骨細胞の壊死さらには腐骨が形成される(ごくまれに)。
3.腐骨に口腔内細菌が感染する。
4.腐骨が感染源となり、骨髄炎を誘発する。

ただ、腐骨形成が自然発生するケースは極めて稀であり、実際には歯性感染が先行もしくは併発していることの方がむしろ多いのではないかと想像されます。
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by nakadateshika | 2016-09-29 08:36 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 09月 28日
顎骨壊死の診断
BPに起因すると思われる顎骨壊死をBRONJ(BP-related ONJ)と呼びます。しかし、現在ではBP剤以外の骨粗鬆症薬も使用されるようになり、それらの薬剤によっても顎骨壊死が生じる可能性があることから、まとめてMRONJ(Medication-related ONJ)と言い換えられるようになってきました。

図のように定義付けもされていますが、消去法で骨粗鬆症薬が疑われているような印象も拭えず、一部の整形外科医からはその関連性に否定的な意見もあるようです。そもそも(放射線性顎骨壊死を除いて)MRONJ以外に同じような病態を示す顎骨壊死が存在するのか?MRONJの発症メカニズムは?といったところに疑問があります。まだ解明されていない部分も多いようですが、目下調査中です。
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by nakadateshika | 2016-09-28 06:58 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 09月 27日
ビスフォスフォネート
骨は、日々新たな組織に作り替えられています(一つの骨で3〜4ヶ月、体全体の骨も約3年ですっかり置き換わる)。通常は、骨形成と骨吸収のバランスが保たれているため骨質は維持されますが、骨粗鬆症ではこのバランスが失われ(骨吸収のスピードに骨形成が追いつかず)、結果として骨が脆くなり 骨折しやすくなってしまいます。
BP(ビスフォスフォネート)製剤は、骨吸収の主役である破骨細胞を自然死させることによって骨吸収を抑制し、骨吸収と骨形成とのバランスを整えることで骨折を予防する薬剤です。骨粗鬆症治療薬としての効果は極めて高く、また骨転移のあるがん患者にも投与されており、使用量は年々ウナギ登りだそうです。しかし、「BP製剤が顎骨壊死を引き起こす」という論文が2003年に報告されてからというもの、この問題は歯科界で大きなトピックになっています。

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by nakadateshika | 2016-09-27 11:57 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 09月 26日
顎骨壊死
(最近というわけでもないですが)BP製剤を服用されている患者さんは年々増加しているように感じます。骨折予防の観点からみれば、BP製剤は非常に有効な薬剤だそうですが、その副作用として 抜歯などの外科処置により顎骨壊死がまれに生じることが報告されています。そのため、外科処置を行う前には数ヶ月間の休薬を行うことが一般的ですが、抜歯が必要で痛みが強い場合などにはその対応に悩んでしまうことも少なくありません。
顎骨壊死に関して、ポジションペーパー(公式見解)が今年作成されていますので、これを元にまとめてみようと思います。

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by nakadateshika | 2016-09-26 18:51 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 09月 25日
基本ゼミ最終回
e0273912_7352797.jpg昨日は、基本ゼミ恒例の受講生ケースプレが行われました。錚々たる講師陣が後方に居並ぶ中での発表は、想像以上の緊張感だったと思いますが、皆さんご立派に発表されていました。ケースに対するコメントはなかなか手厳しいものも多く 気落ちしている先生もいらっしゃるようでしたが、今回の準備を通じて得られた経験は思っている以上に大きく 受講前とは全く別次元の見方・考え方ができるようになっているのではないかと思います。懇親会の際にS先生がケースプレすることの重要性を指摘されていましたが、知識を取り入れる(インプット)だけでなく それを人に伝えられるように整理する(アウトプット)ことでさらに知識は深まるのではないかと思いますので、今後もなるべく継続していただきたいと思います。来年2月にはもくあみ会があります。すでに参加希望をされている受講生もいて頼もしい限りですが、こちらにも奮ってご参加いただきたいと思っています。

by nakadateshika | 2016-09-25 06:53 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 09月 18日
上田城
e0273912_4113799.jpg週末は毎年恒例の同窓会です。ついこの間いったばかりなのに・・・、と1年があまりにも早く過ぎ去ることに唖然としますが、子供たちの変化をみると 同じ1年間でも大分違うものだなとしみじみ思ってしまいます。
あっという間といえば、先日の真田丸では 関ヶ原の合戦がわずか1分弱で終わってしまったのにはビックリ仰天でしたが、今年の同窓会は妙高での開催なので 道すがら上田城に攻め入ってみようと思います。

by nakadateshika | 2016-09-18 04:21 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 09月 17日
市民公開講座
e0273912_6202873.jpg昨日は市民公開講座を聴講しました。テーマは『超高齢社会における歯科保健医療の役割』ということで、元厚生省事務次官:辻先生、元日本歯科医師会会長:大久保先生、東歯大:石井先生のお三方がご講演されました。平日の夜にもかかわらず、田辺市長をはじめ とても多くの方々が来場され、こういった問題への関心が思っている以上に高いことを感じました。

地震予知や経済予測など様々な見通しがありますが、人口推計ほど信頼性が高いものはないと言われています。その予測が示す未来予想図は、2060年には65歳以上の人口割合が40%近くになる超超高齢化社会です。このような社会構造は世界にも類がなく、日本は手探り状態で向き合わなくてはならない非常に難しい問題だと思います。
今回の市民公開講座を受講して、来たるべき超高齢化社会における歯科医療の役割が 思っているよりも多く、そして期待されているということを感じました。ただ、社会レベルという大きなスケールの問題に対応するためには、個人がどうこうすればなんとかなるものではなく、歯科医療関係者、行政、家族を含めた地域住民が三位一体となって考えていかなければならない課題だと思います。そのためには、このような市民公開講座は 市民・行政・歯科関係者との関わりができる一つの場として有意義なことだと思います。

by nakadateshika | 2016-09-17 06:21 | 社会・生活 | Comments(0)
2016年 09月 12日
致知
e0273912_7212037.jpg以前から気になっていた雑誌「致知」を定期購読することにしました。今月号は、iPS細胞で有名な山中伸弥先生の対談が掲載されています。

”何か悪いことが起こったときは「身から出たさび」自分のせいだと考え、いいことが起こった時は「おかげさま」と思う。この考え方をモットーにしてきました。”
”成功の秘訣は「VW(ビジョンとワークハード)」。日本人の場合 ワークハードは得意ですから、大事なのはしっかりとしたビジョンを持つことだと思います。”

先日の勉強会でも、歯科医師として与えられた時間は30〜40年というお話がありました。限られた時間の中で何かを得るためには、自分なりのビジョンに基づいてテーマを取捨選択し、努力の方向性を考えながら進んでいくことが必要だと感じます。ただその一方で、わかっているような気がしている基本的なことに対して、(格物致知の精神で)より深く理解するように心がけることもまた必要なのではないかと思います。

by nakadateshika | 2016-09-12 07:23 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 09月 07日
キーパーソン
e0273912_755072.jpg昨日は 火曜会例会でした。第一枠では「インプラントによるkey-toothの保存」という演題で、火曜会のキーパーソンであるT先生がご発表されました。T先生はケースプレを目前に控えながら、先日のゴルフコンペでは幹事で優勝という万能ぶりを発揮されていましたが、今回のケースプレでも、すれ違いという難コースを 僅か1年余りで見事に攻略されていて 流石という言葉しかありませんでした。
インプラントが本当に必要なのか、必要であれば いつ・どこに・どのように使用するのかを的確に判断するのは難しいですが、コースの全体像を把握したうえで攻略ルートをイメージできているからこその結果だと感じました。ちなみに、11月のGC講演会でご発表がありますので、そちらも見逃せません。

by nakadateshika | 2016-09-07 07:55 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 09月 06日
地球温暖化〜楽観論と悲観論〜
e0273912_7265443.jpg管理人一押しのNHKスペシャル”メガクライシス〜脅威と闘う者たち”を早速 視聴しました。全4回のシリーズで、今回は地球温暖化がテーマでした。もはや止めることが出来ない地球温暖化のメカニズム・それによって引き起こされる洪水や雷などの脅威・脅威から逃れるための取り組みなどがレポートされていましたが、最近各地で起きている様々な被害を考え合わせると、地球が深刻な状態にあるということにものすごくリアリティがあり、恐ろしくなりました。異常気象への対策も改善が見られるようですが、大自然の力の前ではどこまで??ということもあり、暗い未来を宣告されたようで すっかり気が沈みこんでしまいました。

もう少し明るい話題はないものかと探してみると、異常気象で有名なアル・ゴアが 今年 新たな発表(気候変動への楽観論)をしていました。こちらのプレゼンでは、温暖化をはじめとする気候変動に対して”私たちは変わらなければならないのか?””私たちは変わることができるのか?という問いが投げかけられています。こちらも、現在進行形で起こっている様々な被害を取りあげながら 今すぐ変わらなければならないことが示されていましたが、その一方で 風力発電や太陽光発電などの再生可能電力の進歩によって変わることができるし、その兆候も少しづつ見えてきているという明るい未来が語られていました。NHKスペシャルよりも楽観的で少しは気が晴れましたが、技術革新によって現状を変えられるといった どこかアメリカ的なニオイが感じられスッキリとはしませんでした。

(被害に合われている方のことを考えると発言しづらいところもありますが)異常気象というものはあくまで人間側からみた視点でのことであり、地球からしてみれば ある種の適応現象とみることもできます。人間の場合には ウイルスへの防御策として発熱しますが、地球にとって有害な存在にならないような方向に考え方をシフトしていかなければならないのではないかと感じます。そのためには、もっともっと という欲を捨てていくことが必要ですが、それが難しいことは周知の事実です(もっと飛ばそうと万振りした結果、OB連発するような自分には偉そうなことはとても言えません・・・)。



by nakadateshika | 2016-09-06 07:13 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)