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2016年 10月 29日
Deep overbite 総論
e0273912_6475353.jpg現在、12月の企画に向けて下調べをしているところです。しかし、調子に乗ってブラキシズムや成長発育にまで手を出したところ、(まさにデスロック状態で)身動きが取れなくなってしまいました。。
”聞いて、思って、修めることが学問の法則”だと露伴師匠も述べていますが、確かにインプットばかりでは全く頭が整理できないので、少しづつでもアウトプットすることでdeep overbiteに関する知識を修得していきたいと思います。

by nakadateshika | 2016-10-29 06:48 | 欠損歯列 | Comments(0)
2016年 10月 18日
deep overbiteと全身疾患
・ディープオーバーバイトと全身疾患の関連性
ディープオーバーバイトは、リウマチや痛風、関節炎などの全身疾患が原因で生じる場合がある。これらの疾患は顎骨をはじめとする骨格自体を変化させてしまうため、筋(咀嚼筋や顎位に関連する筋)の伸展や収縮が生じる。それに伴って顎位は容易に変化するので、どれほど慎重に咬合再構成が行われていたとしても、残念ながら予後不良に終わってしまうことも十分に考えられる。

・歯科医療において重要なこと
歯科治療において理想的な咬合が重要であるということは、論を俟たない。しかし、咬合は咀嚼機能を担う一つの要素に過ぎないということも忘れてはならない。綿密な計画のもとで行った咬合再構成であっても、骨や全身状態の変化によって脆くも崩れ去る可能性があるということを、四半世紀以上に渡る臨床記録が証明している。

・歯の保存について
できるだけ多くの歯をできるだけ長く良い状態で保つことは、歯科医療が果たすべき重大な責務である。しかし、高齢者への治療では予後不安な歯の保存にこだわりすぎず、なるべく短期間で治療を終えることも時には必要であろう。補綴設計に関しても固定性に固執するのは賢い選択ではなく、場合によってはシングルデンチャーも有効な手段である。

ひとくちに咬合再構成といっても、その程度や術式によって経過は異なるだろうと思われるので、全てを鵜呑みにすることはできないかもしれません。しかしこの当時、歯科治療を”ひと・くち・は”という視点で捉えていたということや、生体と補綴物の経年変化に着目していたというのには、ただただ驚くばかりです。

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by nakadateshika | 2016-10-18 18:54 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 10月 13日
もくあみ事後抄録から
e0273912_5593321.jpgもくあみ会事後抄録から、deep overbiteの範疇に入るとおぼしき症例を集めてみました。Deep overbite それ自体に問題があるわけではないですが、咬耗や挺出、さらには歯の欠損が絡んでくると、一気に難症例へと変貌する可能性があります。各症例を較べてみると、上顎の歯周組織の質によって、動揺として問題が現れるケースと咬耗していくケースとに分けられそうですが、対応の難しさとしては天然歯か補綴歯かによってもかなり違うような印象です。




deep overbiteと思われる症例を較べてみて、以下のような推論を立ててみました。
・Ⅱ級 deep overbiteであっても、臼歯部咬合支持が保たれていれば安定している。
・咬合支持が弱体化し前歯部へ力の問題が波及すると、難症例へと変貌する。
・患者の年齢や顎堤条件にもよるが、移植などによる咬合支持の回復が有効打となる可能性がある。
・高齢者の場合は、シングルデンチャーも見据えた義歯設計が求められる。
・咀嚼筋の走行から垂直的に力が加わりやすく、クレンチングを伴うことも多いため、咬合挙上は危険性が高い。
これはあくまで個人的な仮説なので、集まった症例をもとにどのようなディスカッションが繰り広げられるのか、今から楽しみです。

by nakadateshika | 2016-10-13 05:59 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 10月 12日
Deep overbite
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昨日の火曜会は、2症例ともに欠損歯列の話題でした(surechigaiとdeep overbite)。いずれも自分にとっては身近なテーマであっという間の3時間でしたが、deep overbiteの症例では schweitzer先生の本と瓜二つの写真(関節リウマチを示す手の写真)があり、特に興味深かったです。咬合力や年齢など相違点もありましたが、(垂直的・水平的)顎位の設定や咬合平面是正の難しさなど共通点も多いように感じられました。Deep overbite症例はそれほど頻繁に遭遇することはないですが、集めて・並べて・較べてみると何かが見えてくるかもしれません。

by nakadateshika | 2016-10-12 06:44 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 10月 09日
夏目漱石の妻
e0273912_7381489.jpgNHKの土曜ドラマ:夏目漱石の妻がなかなか面白いです。キャストも名優揃いで、コミカルとシリアスのバランスが絶妙です。どこまで演出なのかはわかりませんが、自分の中での漱石像とはかなりかけ離れていてそのギャップが魅力なのかもしれません。久々に(小学校以来?)「吾輩は猫である」を読み始めましたが、以前大して面白いとは感じなかったものが、いろんなエピソードを踏まえるとグッと面白くなるのは不思議なものです。ブログやケースプレなどにも言えることかもしれません。

by nakadateshika | 2016-10-09 07:38 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2016年 10月 02日
顎骨壊死(まとめ)
MRONJについてのまとめです。

1.MRONJの発生頻度はかなり低い。しかし、一旦発症すると症状が重く治療が困難であるため、予防が重要である。
2.代謝回転の遷延や血管新生阻害などにより、骨壊死が生じやすくなることが誘因であると考えられる。
3.歯性感染→腐骨形成、腐骨形成→感染→骨髄炎、いずれのパターンも考えられるが 感染によって病態が増悪することは確かなので、口腔衛生状態の改善と感染源の処置を可及的に行うことが大事である。
4.休薬の効果は不明であるため、全身状態を考慮したうえで 休薬・外科処置の適否を判断する。
5.インプラントへの影響なども不透明だが、必要最小限の処置に留めることが妥当と思われる。

歯を守ることは、歯科医療に課せられた重大な使命です。しかし、超高齢化社会という歴史上類を見ない社会構造の中では、(MRONJに限らず)歯があることによる問題が起こりえるというのはなんとも悩ましいところです。この問題への明確な答えを出すことは容易なことではありませんが、歯科医療が今後どう向き合っていくのかということについては考え続けなければならない重要なテーマであることは間違いないと思います。

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by nakadateshika | 2016-10-02 09:54 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 10月 01日
顎骨壊死の予防(骨粗鬆症患者)
1.薬剤治療が予定されている場合
 ・通常の歯科治療が可能。
 ・4年以上の服用によりONJのリスクが高まることから、その間に歯科治療を行う意義について患者説明を行う。

2.薬剤治療がすでに行われている場合
1)治療期間が4年未満で、臨床的リスクがないケース
 ・通常の歯科治療が可能。
 ・口腔衛生状態の改善と必要な歯科治療を速やかに行い、歯性感染のリスクを下げる。
 ・予後不安な歯については、抜歯も検討する。

2)治療期間が4年未満だが臨床的リスク*がある、または治療期間が4年以上のケース
 ・できるだけ外科処置を避ける。
 ・全身状態が許せば、術前2ヶ月の休薬を検討(今のところ科学的根拠はない)
 ・口腔外科医との連携も検討する。
*臨床的リスク:ステロイド製剤や血管新生阻害薬を服用している場合

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by nakadateshika | 2016-10-01 19:29 | 歯科臨床 | Comments(0)
2016年 10月 01日
顎骨壊死の予防(悪性腫瘍患者)
ONJに関する理論的(基礎的)な背景についてある程度把握できたので、実際どのように対応(予防)するべきなのかについてまとめてみます。
ONJに関与する薬剤は、骨粗鬆症患者だけでなく悪性腫瘍の患者に対しても使用されています。悪性腫瘍患者に使用される注射BP製剤は経口BP製剤と比較してONJのリスクが100倍高いと言われていますし、疾患の性質を鑑みると悪性腫瘍と骨粗鬆症とでは分けて考えた方がよさそうです。

1.薬剤治療が予定されている場合
・全身状態が許す場合には歯科治療が終わるまで、投与開始を待ってもらう(医師との連携が必須)。
・保存不可能な歯牙の抜歯、予後不安な歯も抜歯しておくのが妥当。

2.薬剤治療がすでに行われている場合
・口腔衛生状態の改善を図り、感染のリスクを可及的に少なくする。
・外科処置は出来るだけ避けるべきだが、抜歯が明らかに必要な場合には抗菌薬の術前投与をしたうえで行う。

現時点では休薬による効果が完全に裏付けられているわけではないので、悪性腫瘍患者に対する休薬は難しいようです。かといって、抜歯が必要な状態でそのままにしておくことは感染のリスクとなるので、十分に考慮したうえでの抜歯、あるいは口腔外科医への紹介を検討すべきではないかと思います。

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by nakadateshika | 2016-10-01 08:04 | 歯科臨床 | Comments(0)