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2018年 01月 17日
火曜会新年会2018
e0273912_1912936.jpg昨日は、火曜会の新年会でした。昨年に引き続き「今年の一文字」という企画でしたが、どのお話も面白くあっという間の2時間30分でした。なかでも読書好きにとっては「舟を編む」エピソードがとても印象的でしたので、早速読んでみました。

”辞書は言葉の海を渡る舟だ。ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう”

歯科臨床もまだまだ底が知れない大海原で、火曜会という舟に乗っていなければどこかで海の藻屑となっていたに違いありません。これまで60年以上にわたり多彩な先輩方によって編み込まれてきた舟の重みを感じるとともに、今はその舟を編む一人であることの責任を改めて感じました。

その舟を造りあげ、これまで舵を取り続けてきたキャプテンには「二番煎じはダメ!」とのことで今年の一文字はいただけませんでした。ただその代わりに一文字では収まりきらない熱いお言葉を頂戴し、会員一同身がひきしまりました。そのエールを受けて、今年からはより厳しいディスカッションを!というムードになり、初回の座長担当としては気もそぞろですが、折角のケースプレを座礁させないように頑張りたいと思います。

by nakadateshika | 2018-01-17 18:36 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 12月 19日
集める・並べる・較べる
e0273912_713213.jpg「集める・並べる・較べる」

今回の企画も、KKメソッドに基づいて構成を検討しました。そうは言っても症例が集まらないことには較べようもないのですが、(昨年と同様)多種多様なケースがあっという間に集まり、火曜会の凄さを改めて感じました。その後、例によってKA367を使ったフォーマットに落とし込みそれぞれを較べてみると、大まかに上下的偏在・左右的偏在・前後的偏在というグループに分けられそうだということが見えてきました。

そこから改めて「咬合崩壊」というテーマを考えてみると、それぞれのグループが下顎無歯顎・上顎無歯顎・左右すれ違い・前後すれ違いという4つの終末像に向かっているということにふと気付きました。(この考え方自体は以前から言われていることですが)各群には共通項(欠損の流れ・義歯の動態など)があるため、インプラントの必要性や有効性を考えるうえで、この4つのグループに分けたほうがわかりやすいと感じました。

by nakadateshika | 2017-12-19 16:57 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 12月 17日
協調と共存
e0273912_1826467.jpg”技術偏重、材料偏重の機械的補綴学を一歩進めて、生体の機能に合理的に適応した補綴学にまで高めていくことは、歯学に携わる人々が、長い間持ち続けてきた理想の一つであろう。補綴物が人体に装着され、その機能に関与する限り、これに対する生物学的な考慮は当然要求されねばならない。”(補綴と生物学:石原寿郎著)

補綴と生物学、その協調と共存のあり方を問い続けてきたのが火曜会の歴史だったのではないかと思います。そしてインプラントという未知の新材料が、生体や従来の歯科臨床と協調し共存できるのか?その道を探るアプローチが、2008年に発刊された「パーシャルデンチャー新時代」であったと自分なりに解釈しています。その功績は非常に大きく、パーシャルデンチャーという手法が、従来の臨床とインプラントとを繋ぐ架け橋となり得ることが示されました。ただ著者も述べられているように、当時はまだインプラント体や経過年数などの問題を抱えている時代でもありました。

方法や手法を意味する”method”の語源は、「メタホドス:道に従う、道に沿う」という意味だそうですが、新時代発刊から10年近くが経過した今、インプラントが真の意味で「補綴の手法」となり得るものなのか?改めて見つめ直す機運が高まってきました。そこでその第一歩として、インプラントは欠損の進行をくい止める(遅らせる)ことができたのかどうか、今回の特集企画で再検証することになりました。

by nakadateshika | 2017-12-17 04:55 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 12月 13日
見えないタイトル:インプラントは咬合崩壊の防波堤となりえたか
e0273912_1271890.jpg昨日の火曜会は、特集企画の会でした。
「タイトルが、よく見えないんだけど」

開始直前にご指摘があり慌てて黒文字に変更したのですが、昨日の反省点はその一言に集約されていたように思います。企画案を作った時から、その長さや、「崩壊」と「防波堤」という言葉の関係性に座りの悪さを感じてはいたのですが、結局そのままになっていました。

ブログタイトルもなるべく短く簡潔に!を意識していますが、この記事タイトルは恐らく最長だと思います。タイトルはブログの「顔」と言いますが、プレゼンでもそれは同じです。「咬合崩壊」とは何か?「防波堤」とは何か?もっと煮詰めて考えておけば、素晴らしい症例の数々をもっと活かすことができたのに、、、と大いに反省している次第です。

by nakadateshika | 2017-12-13 12:07 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 07月 26日
Science & Art
e0273912_08124645.jpg昨日は、火曜会の例会でした。今回は若手・中堅・ベテランからの3演題でしたが、いずれも欠損補綴(機能回復)がテーマだったように思います。機能回復は、(保存治療や予防に比べて)客観的評価がしづらいだけに、再現性や因果律を基盤とする科学(science)にとっては苦手な分野で、経験や勘、そして技術(art)といったものが大きく関わってくるようです。

”Medicine is a science of uncertainty, and an art of probability.”

オスラーが残したこの言葉は、シンプルであるがゆえに難解ですが、それだけに奥深さがあります。医療について、(オスラーが尊敬していた)プラトンは「つまり医術とは患者の本性を考察し、また自分が行う処置の根拠をもよく研究していて、そして一つ一つのケースについて理論的な説明を与えることができる技術である。」と述べています。
これらを考え合わせてみると、医療の対象となる”ひと”は(常に変わりつづける)不安定で予測しづらいものだが、(処置の根拠や一般性を見出すためにも)できる限り科学的な思考や態度で臨むべきである。と同時に、予後を感じ取る(未来を予測する)ために必要な経験や勘を培うことも重要であり、医療とはその二つ(サイエンスとアート)を相互に関連させることによって成り立つものである、というような意味合いのように感じられます。
そう考えてみると、サイエンスとアートを結びつける手立てとして、仮説思考やプロビジョナル、そして術後経過観察がとても重要であるということを改めて感じました。


by nakadateshika | 2017-07-26 12:22 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 04月 24日
火曜会かわら版
e0273912_8384650.jpgこちらの小冊子には、火曜会会員の先輩方とその周囲の方々が考える「総合診断」がまとめられています。診断について学ぶうえでは、とても参考になる記事ばかりなのですが、筆者の方々の観察力や洞察力、そして何よりその文章力にはただただ圧倒されるばかりです。

”総合診断は、自分の医療の鏡像としても機能し始めた。我々は鏡に映った自分の全体像を見て、初めて統一性のある自分を発見できるように、総合診断という全体像を通して自分の医療の実態を知ったのである。”
”口腔単位の治療の拠り所としての診断を仮想し、これまでの歯科の診断と対比して総合診断という言葉を用いたことには、症例への対応だけでなく、歯科医療のあり方に対する願望も秘められていた。”

「総合」ということばの中に、各対象(術者・患者・歯科医療)の空間的・時間的要素をどこまで含めるのかによって、総合診断の難易度は大分変わってきそうです。自分の能力を踏まえて考えてみると、診断はあくまで「一面のかた」と割りきって、その不足分は経過観察で補うというのが現実的なように感じています。

by nakadateshika | 2017-04-24 08:39 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 03月 15日
ホームドクターの役割
e0273912_721847.jpg昨日の火曜会は、須貝歯科師弟コンビの共演でした。須貝先生といえば、咬合育成からフルデンチャーまでを非常に高いレベルで網羅されている理想のホームドクターですが、昨日の両演題(咬合育成と摂食嚥下)もまさに須貝歯科らしい内容で、高齢化社会という問題を抱える現代において、ホームドクターとして何をすべきか、何ができるのかについて深く考えさせられる、とても充実した3時間でした。

須貝先生のご発表では、要介護ステージでの口腔管理や補綴処置の難しさとその要点、またそのステージに至るまでにホームドクターとしてすべきことについて教えていただきました。
超高齢化社会となった現代では、クリニックに通うことができるステージよりさらに一歩先までを見据えた対応が必要とされてきています。現在の歯科界には様々な問題がありますが、要介護となるラインをまたぐ前後のステージ間で口腔管理の落差があまりにも大きいということが、もっとも重大で喫緊な問題の一つに挙げられるのではないかと思います。ただ、残念ながらいまだ十分な体制が整っていないというのが実情です。クリニックの中では歯の保存に全力を尽くす一方で、その後のステージでは歯があることでのトラブルが起こり得るという、患者・歯科医双方にとって悲しすぎる歪み現象をできるだけ緩和し、なるべくシームレスな考え方・対応ができるような体制づくりの必要性を改めて感じました。

つづいて元代診(僕の1代先輩)であるN先生は、「Deep overbiteで成人させないために」という演題でご発表されました。内容としては、咬合不正の根本的な原因は悪習癖(機能不全)であるとの仮説をもとに、筋機能や姿勢などの環境因子を是正することで本来の姿(正常な歯列)に戻そうという取り組みでした。なかでも自分としては、(イントロでの)不正咬合は文明との接触によって生じた現代病である、というお話にとても興味がひかれました。一般的に、環境の変化に生体の適応が追いつかない場合に病気となるのではないかと思われますが、あまりにも多くのことが急速に変化する現代社会では、 その変化に生体と社会の適応がまったく追いつかず 結果として様々な生体的・社会的な病気(問題)が生じているように感じます。
咬合不正についても食生活などの変化により、後天的因子の影響を受ける顎骨の成長と先天的因子の影響が大きい歯牙の大きさとのアンバランスが原因であるとも考えられます。長い時間が経過すれば遺伝子レベルで適応反応が生じるのかもしれませんが、それまで待っているわけにもいきません。機能と形態、アプローチの仕方はどちらの方法もあり得ると思いますが、変化に対する適応力が最も高い小児期において咬合育成を行うことは、とても有意義なことだと感じています。

”良いものはカタツムリのように(ゆっくりと)進む”

かつてガンジーは、現代文明に警鐘を鳴らす意味でこのような言葉を発したそうです。その意味するところは深遠ですが、要介護の問題や咬合不正の問題もそこに端を発していると考えられなくもありません。ただ残念ながら歯科医には社会構造まで変える力はありませんので、ホームドクターの役割としては 環境の変化と生体の適応との歪みを補正するべく、カタツムリをそっと後から押してあげるような対応が望まれているように感じています。

by nakadateshika | 2017-03-15 06:46 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 03月 06日
雪山勉強会 in ニセコ
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先週末は、例年通りニセコ・スキー合宿に参加しました。そして例年どおり何度もすっ転びましたが、今年は閉鎖ゲレンデを使ったプライベートツアーだったので、雪がフワフワ&サラサラのパウダースノーで痛みは全くありませんでした。とはいえ林間コースに突入したときには、昨年のバックカントリーでの惨劇画像が頭にチラつき、今年は自分の番かと覚悟しましたが、雪質に助けられてなんとか無事生還することができました。
書籍運搬がよい準備運動になっていたようで、懸念していた筋肉痛が全くないのは嬉しい限りです。

by nakadateshika | 2017-03-06 07:21 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2017年 01月 18日
今年の一文字
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昨日は火曜会の新年会でした。今年の企画は、「私の今年の一文字」というお題でしたが、(会員間では)申し合わせたかのように誰1人被ることなく、それぞれに思いの詰まった一文字をご披露いただきました。
個性が・・・というお話もありましたが、個性ほぼゼロの自分からすれば個性溢れる先生方ばかりです。そしてその個性が一つの目標に向かって結集したときにはとてつもなく大きな力になることを、企画などの経験により実感しました。このような多彩で多才な先生方との対話や討論を通じて、今年もたくさんのことを学び、「実」りある1年にしていきたいと思っています。

by nakadateshika | 2017-01-18 13:58 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2016年 12月 18日
既存顎位で対応した長期経過症例
e0273912_85472.jpg最初のセクションでは、咬合再構成を行わずに既存顎位で対応した2症例を提示していただきました。ともに20年以上にわたる長期経過症例でしたので、deep overbiteの経過について、またdeep overbiteに対する介入の是非を検討するうえで極めて重要なパートになるだろうと考えていました。

Deep overbiteの視点から
成り立ち :Ⅱ級2類タイプ
力(加圧):強い
咬合(受圧条件)
case1:大臼歯咬合支持あり(右側は喪失)
case2:大臼歯部咬合支持なし、左右的偏在傾向あり

長期経過からみえてきた変化として、アーチフォームの変化(U字→V字)、アンチモンソンの進行、咬耗、顎位の低下などが共通していました。また臼歯部欠損に対して、case1では移植(経過対応でインプラント)、case2では義歯、とそれぞれ異なった対応がとられていましたが、いずれも大崩れすることはなく前歯部は守られていました。(あくまで推測ですが)的確に臼歯部咬合支持を回復されていたことに加えて、前歯部咬合支持が保たれていたことや 顎位の左右的ズレがなかったことが、比較的穏やかな経過の一因になっているのではないかと感じました。

このパートのまとめ
 1)顎位(歯列)の変化
   ・下顎後退の可能性
   ・下顎前歯部の挺出
   ・U字からV字へ
 2)欠損の進行
   ・欠損進行のリスクはあまり高くない
   ・すれ違いへの流れはそこまで強くない
   ・前歯部はあまり失われない
 3)欠損への対応
   ・小臼歯部の咬合支持が重要
   ・移植やインプラントも有効
   ・義歯で対応できるケースも(改変の見極め)

by nakadateshika | 2016-12-18 08:14 | 勉強会・講演会 | Comments(0)