昨日は、金子先生と救歯会との合同セッション(延長戦)にお邪魔しました。斉藤先生の提示症例は、いずれも前後的すれ違いの流れの中で 下顎臼歯部の顎堤が著しく吸収していたケースでした。インプラントにより機能回復(下顎義歯の安定)が得られた一方で、それでも止まらない顎堤吸収とそれに伴う患者さんの危機感の低下、そのジレンマへの葛藤が十二分に伝わってくるプレゼンテーションで、とても勉強になりました。
”水は流れたがって、とっとと走り下りていた。そのくせとまりたがりもして、たゆたい、渋り、淀み、でもまた流れていた。”
欠損の流れは川の流れに例えられることがありますが、高齢化とともにその川幅(適応力)は狭くなり、何らかの障害があると氾濫するリスクも高まります。インプラントが障害物となるのか、それとも決壊を防ぐ防波堤となるのか、その使い方・向き合い方について考えさせられるとても充実したセミナーでした。