2018年 03月 12日
evidenceとexperience
e0273912_723280.jpg”骨はメカニカルストレス(荷重)に対し、その内部構造と外部構造を最も機能的な「かたち」へと変化させる。”

ウォルフの法則を提唱したJulius Wolff(1836-1902)は、ベルリンの整形外科医でした。彼は骨折後の治癒経過について研究をしていたようですが、(当時はまだX線もないような時代で)標本写真とスケッチをひたすら蓄積し、それを丹念に比較検討した末にその法則を見出したそうです。
今時のエビデンスとは程遠い臨床知見から得られた法則ですが、100年以上経った今でも支持されています。しかもその法則に基づいたコンピューター上でのシミュレーションが、実際の骨形態と近似した結果になるというのは驚きです。その分子メカニズムについてはまだ明らかになっていないとのことですが、感覚的にはすんなり腑に落ちる理論です。

下顎前歯部は残る、犬歯さえ残れば、智歯の不思議、などなど歯科臨床にも経験によって見出された法則は多く、欠損歯列を考えるうえで重要な指標になっています。科学的な分析はもちろん大事ですが、科学の範疇が部分的であり局所的であるという前提から考えると、経験から導き出された直観的な法則もまた、とても大切なエビデンスではないかと感じています。

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by nakadateshika | 2018-03-12 08:16 | Comments(0)


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