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2019年 03月 01日
方法としての面接
課題図書「方法としての面接」を読みました。自分なりにまとめてみようと試みましたがどうにもスッキリせず、その後何度か読み返して漸くその骨子が見えてきたような気がします。

・医療では、「面接」を通して患者の気持ちを洞察することが極めて重要である。それがなければ症例を充分に理解することはできず、適切な「見立て(診断・治療・予後予測)」もできない。そしてそのために必要なものが、患者への共感(Einfühlung)と医者自身の人格形成(Bildung)である。

・臨床研究の本質は、個々の症例を集めて比較・分類しその法則性を掴むことである。そしてそれらの法則を活用することで、個別の症例をより深く理解できるようになる。したがって、個々の症例を一つ一つ蓄積することと、(俯瞰的に)それぞれの症例の関係性を掴むこと、その双方のアプローチが臨床医には求められている。

一見すると相反するような内容ですが、よくよく考えてみると、どうやらこの本も「型と形」に繋がる話のようです。歯科臨床においても、「ひと」の要素を省いてしまうと症例を充分に理解することはできません。ただその一方で、(咬合支持・欠損段階・KA367などの)俯瞰的な視点が、症例への深い理解と、より良い「見立て」に繋がるのではないかと思われます。

新訂版はまだ購入可能です。かなり難解ですが、ご興味がある先生は是非ご一読ください。


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by nakadateshika | 2019-03-01 08:23 | 臨床診断・基礎医学・その他 | Comments(0)


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