「銀河鉄道の夜」を読みました。恐らく教科書などで、断片的に触れたことはあったかと思いますが、全部を通して読んだのは初めてでした。最後まで推敲を続けた未完の作品ということもあってか、一読しただけではなかなかその内容が頭に入ってきませんでしたが、「100分de名著」での解説(物語の背景・込められたメッセージ)を聞いて、漸くこの物語の素晴らしさが分かりました。
”けれども、ほんとうの幸いは一体なんだろう?”
それは自己犠牲なのか何なのか、物語の中でその答えは明らかにされてはいません。ただ「永久の未完成、これ完成である。」という彼の言葉の通り、ハッキリとした答えが見つからなくても、それを自分なりに考え続けることが「生きる」ということだ、という解釈がなんとなくピッタリのような気がしました。