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カテゴリ:歯科臨床( 29 )

2019年 06月 18日
Eichnerの分類
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「臼歯部咬合支持と偏在」というテーマについて調べています。「偏在」という言葉が見当たらないのは頷けるのですが、「咬合支持」についても明確に解説されているものが少なく、咬合学事典などの索引にも出ていないのには少々驚きました。そこで「咬合支持」のルーツを巨匠に確認してみたところ、その出所はやはりEichnerの咬合支持域に端を発しているとのことでした。大学時代にも当たり前のように使われていた用語(分類)ですが、それがふと手に取った一冊の本から導き出されたものだったというのは、なんとも言えないドラマを感じます。そんな歴史的な書籍を手に入れたいと常々思っていましたが、昨日ドイツのamazonで発見しました。矢も楯もたまらず注文してしまいましたが、果たして無事に届くでしょうか??

by nakadateshika | 2019-06-18 06:18 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 06月 01日
サポートデスク
e0273912_7562597.jpgこのところ、「Team viewer」が大活躍しています。症状の把握やその対応の際に、言葉だけで理解し伝えることの難しさを痛感しますが、「画面共有」というツールはそういった問題をスパッと解決してくれます。基本ゼミではPhotoshopの使い方などをお話していますが、メールでのやり取りでは限界があると感じていました。そういった場面でも「画面共有」は有効なツールになりそうです。

by nakadateshika | 2019-06-01 07:56 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 05月 20日
分けること、分かること
e0273912_6474687.jpg先週末は、第3回基本ゼミでした。左画像は、ゼミ後半に行われた「欠損歯列の見方と処置方針」のタイトルです。受講生から集まった症例を(KA367での小文字を抜いた)残存歯数順に並べただけですが、見較べてみると不思議と似通った症例が隣り合っていたりして、思いの他興味深い画像になりました。

”分類とは物事を認識するために作った便宜的な枠組みで、目的に応じて使い分けるべきである。”
”分類する場合には「その他」の項目を作るべきである。分類に困る境界領域の中に、新しい発見が潜んでいることが少なくない。”
”「分かる」とはその分類体系が分かることであり、「わかり合う」とはその体系への共通認識を持っていることである”

金子図書館の蔵書「分けること・わかること」からの抜粋ですが、「理解」するとはどういうことなのか?興味がある方にはオススメの一冊です。ここでいう「分ける」には、「分析」と「分類」との二つの意味があるようですが、今回の話題に関しては「分類(ことわけ)」の論理の項が役に立ちそうです。


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by nakadateshika | 2019-05-20 06:48 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 05月 10日
欠損歯列の見方と処置方針
e0273912_7452033.jpg来週は、令和最初の基本ゼミです。二日目午後のテーマ「欠損歯列の見方と処置方針」に向けて、受講生が悩んでいる症例を募集しました。口腔内写真や画像調整など、慣れないうちは資料提出だけでも難しいことですが、今年は例年よりも集まりが良く運営側としては大助かりです。

一方症例に関しては例年通りで、誰がみても難しい!!と感じるような症例が集まってきています。ベテランであればひと目で全体像を直観し、その問題点と処置方針、さらには術後の経過まで、即座にパパパッとイメージできるのだろうと思いますが、経験が少ない若手にとってはそういう訳にはいきません。そもそも何が難しいのか、どこで悩んでいるのかを的確に把握すること自体が、それほど容易なことではないからです。越えなければいけない壁はいくつもありますが、まずはKA367の意義を知り、複雑に絡み合った問題を解きほぐすことが、その第一歩なのではないかと考えています。

by nakadateshika | 2019-05-10 07:45 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 04月 27日
時代に流されない歯科臨床
e0273912_18264448.jpg基本ゼミや65周年などもあるので、「火曜会全史」が記録されている過去の記念誌(歩みシリーズ)を読み返しています。以前にも目を通しているはずなのですが、改めてハッと気づかさせられることが随所にあり、考えさせられることばかりです。

"基本的な治療原則を確実に履行することが臨床の第一目標”
”「少しでもより良く」の意欲だけは忘れないように”

歩みⅡの冒頭にある、豊永先生による紹介文です。臨床への謙虚な姿勢とあくなき向上心が窺い知れる素晴らしい文章で、以前の火曜会HPにあった「地味な臨床を地道に」にも繋がるお言葉だと思います。あと数日で新しい時代を迎えますが、派手さはなくても基本に忠実に、時代が変わっても時代に流されない臨床を心がけていきたいと思っています(火曜会HPより)。

by nakadateshika | 2019-04-27 18:27 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 04月 12日
口腔内写真の処方箋
e0273912_7434426.jpg口腔内写真の設定等について、基本ゼミ受講生の先生方とやりとりをしています。関係者の紹介で受講されている先生方が多いこともあって、以前にくらべると器材のバラツキはだいぶ減ってきたようです。ただ、今回は60mmマクロとキャノンストロボを使用されている方が多く、(設定やミラーが異なるので一概には言えませんが)比較してみると、前歯部と臼歯部での歪みや露出の不安定さが気になります。

それに対して、(金子先生から頂いたアドバイスをもとに)受講生へ送った処方箋が左画像です。すぐさま器材一式買い換えられた方、中古で捜索中の方、レンズ交換だけ検討中の方などなど、受講生の反応は様々ですが、みなさん土竜ブログのデジカメタグを参考に、口腔内写真についてイチから勉強されているようです。それにつられて自分自身も見直していますが、今になって改めて気づかされることが盛りだくさんです。受講生は勿論ですが、ゼミOBの先生方にも記事再読を是非ともオススメいたします。

by nakadateshika | 2019-04-12 07:44 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 04月 01日
歯科臨床に必要なこと
e0273912_18223283.jpg今年もいよいよ基本ゼミがスタートしました。まずは金子先生のオリエンテーションから始まりましたが、「歯科臨床に必要なこと」と題されたプレゼンの中には、(誰もが知りたい)その答えに近づくためのヒントがギッシリと詰まっていました。

「先人の歩みから学ぶこと」、「ヒストリーを大切に、推論を立て、経過観察から学ぶこと」、「自身の症例を比較・検討し、法則性を掴むこと」等々、冒頭から金子臨床のエッセンスが全開の内容でした。そのどれもが「歯科臨床に必要なこと」ですが、そういった答えに辿り着くための原動力が「臨床を楽しむ心」にあったのだ、ということをプレゼンの随所から感じました。

”始めをきめる推論も 実りを味わう観察も しごとを楽しむ心から”

以前のゼミ卒業生に向けて金子先生が贈られた言葉だそうですが、何とも味わい深いお言葉です。午後に行われた千葉先生の講義も、その緻密な推論と観察力には誰もが圧倒されますが、そのストイックな姿勢を支えているのも「臨床(しごと)を楽しむ心」にあるように感じました。

”之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず”

今話題の渋沢栄一の名著「論語と算盤」に引用されている論語のコトバです。長いようで短く、短いようで長い歯科医師人生、思うに任せないこともままありますが、いつでも楽しむ心を忘れずにいたいものですネ。

by nakadateshika | 2019-04-01 08:18 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 03月 24日
保存の限界と治療方針
e0273912_7312210.jpgもくあみ会からの流れで、関連する過去の文献を紐解いてみました。30年以上前に発刊された書籍であり、その間には器材だけでなく専門的な知識や技術、その多くが飛躍的に進歩しました。しかし、歯科臨床における「見立て」の難しさについては本質的にはあまり変わっていない、というよりも様々な選択肢が増えた分だけ、むしろ難しくなっているのかもしれません。

”咀嚼器官としての歯の働きは、それが失われた時には人工的な修復物に置換されるというような、単純な答えで満たされるものではありません。神から与えられた精巧な器官は、どんな人工物にも優るものであろうと思います。
それゆえに、1本の歯を治療する歯科医師の使命は重大であり、その価値を知っているからこそ、日常の臨床で迷い、模索しながら、より望ましい診療のあり方を求めて対処しているのが実状ではないかと思われます。
しかし、ここ十数年の間に器材の発達、学問的な究明、さらには予防歯科の考え方が導入されるに至って、(1歯単位の視点だけでなく)口腔単位・個人単位の生涯治療を目標に対応しなければならなくなってきました。それはさらに、ホームドクターにまで発展するような、患者と医師との人間関係の樹立のもとに治療を考えることが必要となってきております。このことが、機能的にも人間的にもトータルで診る総合診断の必要性が強調されるゆえんであります。”

by nakadateshika | 2019-03-24 06:16 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 03月 18日
名古屋もくあみ会
e0273912_735387.jpgこの週末は、名古屋もくあみ会に出席しました。3月の名古屋にしては想定外の寒さでしたが、もくあみ会は例年通りに熱く盛り上がりました。これもひとえに、しんせん組の先生方のご尽力があったからこそ!本当にありがとうございました。

1日目のケースプレは、(昨年のゼミ受講生から初代受講生の大御所まで)幅広い世代の先生方がご登壇されました。ジャンルは歯周病・咬合育成・欠損補綴と様々でしたが、ベテランだけでなく若手の先生方も、患者さんの気持ち(人の要素)に充分配慮しながら治療をされている姿にとても感銘を受けました。そして1日目のトリは例年通りS先生でした。昨年は、運営側だったためにケースプレができず、懇親会では大暴れだったそうですが、今年はその鬱憤を晴らすかのような見事なプレゼンで、そのせいもあってか懇親会では比較的穏やかだったそうです(メデタシメデタシ)。

二日目の全体会は、”流れを意識した欠損補綴”というテーマでした。中堅からベテランを中心に、全部で7症例が提示されましたが 「どの症例も無理をしている感じがなく、処置方針を自然に受け入れられる」というS貝先生のコメントがまさに!といった印象でした。同先生からは以前にも、「術後にトラブルがあったとしても、患者さんに大きな変化を感じさせない(負担をかけない)処置方針が望ましい」というご意見を伺った記憶がありますが、それがまさしく”流れを意識した欠損補綴”といえるのかもしれません。
そのためには、KA367などによって俯瞰的に欠損歯列の流れを読むこと、その一方で(患者さんとの関わりあいの中から)性格や嗜好など個別の要素を読み解くことが必要で、その二つを統合することによって初めて、術後変化にもスムーズに対応できる、流れの良い補綴設計の立案が可能になるのではないかと思います。会長が絶賛されているとおり、H先生、S先生のプレゼンはまさにそのお手本のようなケースでした。

そして大トリは、皆さんお待ちかねの金子先生でした。時代背景を交えて、補綴臨床とご自身の歩みをお話していただきましたが、そのプレゼンを聞きながら、歯科臨床に求められる課題も、時代の流れ・社会の変化とともに移り変わっていくということを改めて感じました。
”流れ”というコトバからは、変化・時間・ヒストリーなど様々なイメージが連想されます。そのどれもが歯科臨床を考えるうえで欠かせない要素ですが、広辞苑を見てみると「技芸や思想を伝承すること」という意味もあるそうです。現代の歯科臨床は、超高齢社会・技工士問題・金属高騰問題などなど、新しい様々な問題を抱えています。そういった新たな問題を打開するためには、先人から受け継いだ知恵と技術に立脚した自分自身の創意工夫が大切であり、その歩みの記録がまたその後の流れを作る道標となる、ということを教えていただいたように思います。そしてご自身の歩みを引き継いで、これからの欠損補綴、いや歯科臨床の新たな流れを作って欲しい!!という厳しくも温かいエールのようにも聞こえました。直前まで講演内容には迷われていたようですが、”流れを意識した欠損補綴”というテーマを締めくくるに相応しく、そして誰にも真似できない圧巻のプレゼンテーションでした。

そして記念すべき20年目のもくあみ会は、熊本に決まりました。「KDM40周年への出席を条件に」という南政所?(マサコさま)のご提案にも満場一致で賛同が得られ、来年は会員一同 いざ熊本!!へ馳せ参じることになりました。S先生を筆頭に血気盛んな同世代の先生方が多いので、今からとても楽しみです。

by nakadateshika | 2019-03-18 07:22 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 03月 01日
方法としての面接
e0273912_13533191.jpg課題図書「方法としての面接」を読みました。自分なりにまとめてみようと試みましたがどうにもスッキリせず、その後何度か読み返して漸くその骨子が見えてきたような気がします。

・医療では(とりわけ精神科では)、「面接」を通して患者の気持ちを洞察することが極めて重要である。それがなければ症例を充分に理解することはできず、適切な「見立て(診断・治療・予後予測)」もできない。そしてそのために必要なものが、患者への共感(Einfühlung)と医者自身の人格形成(Bildung)である。

・臨床研究の本質は、個々の症例を集めて比較・分類しその法則性を掴むことである。そしてそれらの法則を活用することで、個別の症例をより深く理解できるようになる。したがって、個々の症例を一つ一つ蓄積することと、(俯瞰的に)それぞれの症例の関係性を掴むこと、その双方のアプローチが臨床医には求められている。

一見すると相反するような内容ですが、よくよく考えてみると、どうやらこの本も「型と形」に繋がる話のようです。歯科臨床においても、「ひと」の要素を省いてしまうと症例を充分に理解することはできません。ただその一方で、(咬合支持・欠損段階・KA367などの)俯瞰的な視点が、症例への深い理解と、より良い「見立て」に繋がるのではないかと思われます。

新訂版はまだ購入可能です。かなり難解ですが、ご興味がある先生は是非ご一読ください。

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by nakadateshika | 2019-03-01 08:23 | 歯科臨床 | Comments(0)