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2018年 08月 22日
走れメロス
e0273912_05465945.jpg朝ランを始めました。
とはいっても、15分程度ジョギングしているだけなので、マラソンやトライアスロンをされている方々からみればお散歩程度のものです。それでも、パソコンの前で座りっぱなしだった体にはかなりの負担だったようで、階段の上り下りも辛いぐらいの筋肉痛になってしまいました。ただ朝から運動することで、頭も体も一気に目が覚め、気分は爽快です。いつの間にやら、大学時代に較べて10kgも体重が増えてしまったので、まずは5kg減を目標に頑張ってみようと思います。

走るといえば、先日の100分de名著は「走れメロス」でした。
メロスと親友セレヌンティウスの信頼と友情の美しさを描いた作品だと単純に思っていたのですが、メロス・セレヌンティウス・暴君ディオニスは、実は自分自身の中に存在する善と悪(天使と悪魔)の心を表現しているのでは?という解説がなされていて、とても面白いと感じました。借金の人質として親友を熱海に放置し(メロスと違って)戻らなかった、という逸話を持つ堕罪の心は何ともわかりませんが、読者の視点や切り口によって色んな捉え方ができるというのは、読書のとても興味深い所だと思いました。

雨が降ったりしていると心の中のディオニスが優勢になってしまいますが、邪心に打ち勝ち、なんとか目標達成まで走り続けたいと思っています。走れマサヨシ。



by nakadateshika | 2018-08-22 05:47 | 社会・生活 | Comments(0)
2018年 08月 11日
こころ
e0273912_16551713.jpg帰省中にはやれることも限られていますが、本を読むチャンスでもあります。この夏は、今更ながら「こころ」を読んでみました。前に読んだのは小学校だったか中学校だったか記憶が定かではないですが、あまりよくわからず大して面白いとも感じなかった気がします。しかし40になった今、改めて読み返してみると目には見えない「こころ」の動きがものの見事に表現されているのがわかり、以前よりもはるかに面白かったです。
本にしても、講義にしても、読み手や聞き手がある程度の経験やイメージを持っていないと、その「こころ」を理解することは難しいんだなぁと改めて感じました。


by nakadateshika | 2018-08-11 17:03 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2018年 07月 20日
シンポシオン
e0273912_7462866.jpg”愛の奥義に至る正しい道とは、地上の個々の美しきものから出発し、最高美を目指して絶えず、高く登りゆくことである。(ちょうど梯子の階段を昇るように)1つの美しい肉体から2つの肉体へ、2つの肉体からあらゆる美しき肉体へ、美しき肉体から美しき職業活動へ、さらにそこから美しき学問へと到達し、最終的には美の本質を認識するまでに至ることである。
すなわち、エロース(愛)とは、肉体の美から精神の美、さらには知恵を愛すること(フィロソフィア=哲学)にまで到達することである。”

稀代の大哲学者、プラトン。その著作は名作揃いですが、その中でも最高峰と言われている「饗宴(シンポシオン)」を読んでみました。人間が真に求めるべきものは何なのか?恋愛という具体的で身近な話題から始まり、職業論や精神論を経て、最終的には無知(自身の至らなさ)を自覚し、知恵を追い求めること(哲学)こそが人間が歩むべき道である、という結論に至る論理展開は、流石の一言でした。

もう一つ面白かったのは、その構成です。まずは4人がプレゼンを行い、最後にそれぞれの演者と座長とが対話を重ねることで、そのテーマの真相に近づいていく、という流れになっています。この形式は、まさしく勉強会での形式と同じで、この本の題名(シンポシオン=ワインを片手に語り合う)がシンポジウムの語源になっているのも頷けます。例会では、いつもたどたどしい司会で反省することばかりです。舌の回りをよくするために、2・3滴のアルコールをコッソリ、というのも一案かもしれませんが、寝てしまう危険性もあるので流石に無理なようです。

by nakadateshika | 2018-07-20 07:46 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2018年 07月 04日
方法序説
e0273912_7543139.jpg「ワレ惟ウ、故にワレ在り」で有名なデカルトの名著、方法序説を読みました。100ページぐらいの薄い本なのですが、”学問の方法”に関して、参考になるポイントが随所に散りばめられていました。

・最も単純で、最も認識しやすいものから始めること
・即断と偏見は避けること
・難問については、小部分に分けて考えること
・最終的には、それぞれの部分を統合して考えること

これは「学問(真理探究)の4原則」だそうですが、歯科臨床にも通じる大切な考え方だと思います。
さらにデカルトは、前例と習慣を信じすぎないこと、理論よりも実践が大事であること、そしてそこから得たものを周囲に伝えることの大切さについても、繰り返し強調しています。

今週末の語る会では、金子先生による「補綴臨床60年」が披露される予定です。その歩みを振り返ってみると、その道筋はまさしくデカルト流!しかも今回は、出し惜しみなしの大盤振る舞いとのことですので、そのヒストリーから導き出された補綴臨床の真髄を聞き漏らすことのないよう、集中して臨みたいと思います。
また今回のご講演は特別に、語る会会員以外でも聴講可能です。ご興味のある方はこちらのアドレスをご参照ください。

by nakadateshika | 2018-07-04 07:54 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 09月 02日
氷壁
e0273912_832266.jpg果たして、ナイロンザイルは切れたのか、切られたのか?

先日ご紹介されていた、「氷壁」を読み始めました。女性関係、友人関係、そして自らの命を繋いでいたナイロンザイルを巡る人間ドラマに、すっかり魅了されています。山のことはさっぱりなところもありますが、哲学書などに較べればはるかに読みやすく、グングン読み進んでいます。

「哲学と科学とを繋ぐものは文学である」と澤瀉先生も書かれていますが、これまであまり文学には親しんでこなかったので、これからは意識的に読んでみようと思っています。



※読後感
主人公の上司で人生哲学を語るT、その一方で友人の愛人の夫という微妙な立場でありながらも、科学的な目線に徹するエンジニアY。井上靖が京大哲学科出身ということも関係しているのかもしれませんが、ナイロンザイルに纏わる事件、あるいは主人公の生き方に対して、哲学的視点と科学的視点とを異なる登場人物に分けて語らせているところが、とてもわかりやすく、また興味深く感じました。

by nakadateshika | 2017-09-02 08:03 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 08月 29日
哲学と科学
e0273912_8521526.jpg医学概論で有名な澤瀉久敬(おもだか ひさゆき)先生の著書、哲学と科学を読みました。哲学書は一般的に難解なものが多いのですが、NHKで放送された内容ということで、哲学と科学との関係性についてとてもわかりやすくまとめられていました。

”(文明社会である現代において)科学に華々しい前進をさせている根拠を知るためにまずは科学の本質を探り、さらに科学と哲学との結びつきという、いわば学問全体の源泉にまで遡ることが重要である。それこそ、人類の文明を正しく導くために必要であるだけでなく、科学自体の進歩をより確実にするためにも望ましいことではなかろうか。”

中谷宇吉郎も「科学以前の心」の中で、”科学の飛躍的な発展が人類の滅亡を来すか、地上に天国を築くか、それを決定するものは科学ではなく、人間性である。”と述べています。その判断すら科学(人工知能)に委ねることも現実味を帯びてきている恐ろしい時代ですが、何事も、哲学と科学との両面から考えることの重要性を改めて感じさせられた一冊です。

by nakadateshika | 2017-08-29 08:52 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 07月 19日
科学であり、科学でないもの
e0273912_842113.jpg旅行には、(寺田寅彦の愛弟子である)中谷宇吉郎の名著「科学の方法」を持って行きました。

”科学というものは、あることをいう場合に、それがほんとうか、ほんとうでないかということをいう学問である。色々な人が同じことを調べてみて、それがいつでも同じ結果になる場合には、それをほんとうというのである。”
”多数の例について全般的に見る場合には、科学は非常に強力なものである。しかし、全体の中の個の問題には案外役に立たない。しかしそれは仕方がないことである。科学というものには本来限界があって、(広い意味での)再現可能の現象を自然界から抜き出して、それを統計的に究明していく、そういう性質の学問なのである。”
”生命の科学では、(科学の基本的手法である)分析と総合の方法を用いることができない場合が非常に多いのである。一つ一つの要素について、色々な法則を調べ、各要素について一通りの知識が得られても、それを集めただけでは、全体の性質は分からない場合が多い。”

生命の科学である歯科臨床においても科学の恩恵(創傷治癒・疫学・歯科材料・器材など)は絶大で、そういった知識や技術がなければ現代の歯科臨床が成り立たないことは間違いありません。しかし実際の治療対象は個々の患者さんであり、とりわけ欠損補綴のように数値で計測できない「くち」や「ひと」の要素(生活背景・求める機能など)が複雑に絡みあう分野では、科学的な視点だけではその全体像や方向性を定めることは難しいといえます。科学であって科学でない歯科臨床において、科学の恩恵を十分に、そして適切に活用するためにも、科学とは何かを知り、その限界を知ることはとても大切なことだと思います。正直いって、科学とは?と問われても漠然としたイメージしかありませんでしたが、科学の本質や限界についてわかりやすく解説している本書を読んで、だいぶ理解が進みました。こちらも間違いなくオススメの一冊です。


by nakadateshika | 2017-07-19 08:42 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 07月 16日
読書について
e0273912_634496.jpgこの連休は、毎年恒例の同窓会で福井に行ってきます。今回は電車での旅となるので、以前から興味があった「読書について」を用意していたのですが、内容が余りにも面白く、すでに殆ど読んでしまいました。

”読書とは自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。”
”学者とは書物を読破した人、思想家、天才とは人類の蒙(もう)をひらきその前進を促す者で、世界という書物を直接読破した人のことである。”
”巧妙な比喩を案出するのは、最も偉大な業(わざ)である。なぜなら絶妙な比喩を案出することは、事物に共通の類似した特性を把握することだからである。”

「野郎の本箱」にとっては耳の痛い指摘ばかりですが、ものを読む、ものを書く、そしてものを考えることについての名言が、ぎっしり詰まったオススメの一冊です!

by nakadateshika | 2017-07-16 06:36 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 06月 28日
愛か捨か
e0273912_1520573.jpg今回の”100分de名著”は、仏教書の「維摩経」でした。仏教に限らず宗教がらみの話はサッパリなので、ほとんど理解できていませんが、”捨の美学”という一項で幸田露伴の随筆が引用されていました。

”取ることを知りて、捨つることを知らぬは大なる過(あやまち)なり。雑草、破れ瓦などを除き捨つれば、庭の趣きは自ずからに成り、紙片糸くずなどは掃き捨つれば、庭の趣きは自ずからに整ひ、莠(はぐさ)を捨つれば稲は肥え、蕾を多く摘み捨つれば、菊の花はいと大きく咲くなり。
天地もと人を悩まさず、人ことさらに要なきものを取りて、自ずから煩わし、自ずから苦しむのみ。捨てなむ捨てなむ。煙管(きせる)も捨つべきなり。酒杯(さかずき)も捨つべきなり。無くてぞあるべきこれらの物を捨つれば、要なき煩いは、はや大方去るなり。
おもへば捨つべきものの猶多くも有る哉。無くて事欠かぬほどのものを悉く捨てて、袂(たもと)に風のただ清く、心は水のただ平らかなるに至らば、人は望も自ずから成りて、徳も自ずから進みつべきなり。さは云え、さは云え、捨てかぬることよ。”

悟りを開いた人であれば分別を超越できるのでしょうが、俗人の場合には取捨選択が大事です。先日の講演会でも感じましたが、一流の人はその見極め・選球眼が卓越しているように思えます。自分などはついつい広く浅くとなってしまうのですが、非才なものほどその対象範囲を狭めなくてはいけません。さは云え、さは云え、捨てかぬることよ。。。

by nakadateshika | 2017-06-28 15:20 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 06月 17日
何でもみてやろう
e0273912_733045.jpg話題になっていた「何でも見てやろう」を読みました。”貧乏ひとり世界旅”という括りの中では以前愛読していた「深夜特急(沢木耕太郎 著)」と同じですが、沢木さんが個の視点から世界を眺めているのに対して、 小田さんは 国とは何か、文明とは何か、そしてどうあるべきか?といった、より広い視点からより深く、(どこか哲学的に)日本や世界の姿を捉えようとしている印象を受けました。その背景には、大学時代に古代ギリシア語を学んでいたことも関係しているようです。

”今日(1960年代)の日本の留学生は、成金一家の三代目に似ているのであろう”
”一代目と二代目が「西洋」を西洋のコトバで学ばなければならなかったのに対して、三代目は日本語で学ぶことができる”
”三代目にとって、ピカソはPicassoではなく、ピカソなのである。つまり三代目は、「西洋」の中に何のわだかまりもてらいも劣等感もなく、入っていける。”

”三代目”というのは当時の日本の若者の立場を表現していますが、現代の歯科界に置き換えられるようにも思えます。1960年代といえば、まさに日本の歯科医療が近代化に向けて走り始めた黎明期にあたります。その時期に奮闘しご活躍された いわば第一世代の辛苦・刻苦があったからこそ今がある、ということはもぐら塾などでいつも感じるところです。そんなトップランナーの裏話(another story)を聞くことができる貴重な会(まだ名のない会)が来週行われる予定です。空席は残り僅かのようですが、ご興味のある先生は是非エントリーされてみてはいかがでしょうか?

本書を読んだ感想
1.「内から見る」のと「外から見る」のは大違い
2.思想というものは歩いて考えるものだ
 (本の中にある思想は借り物、思想は自分自身でつくるもの)
3.私は私が出会った全てのものの一部である

by nakadateshika | 2017-06-17 07:28 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)