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タグ:基本ゼミ ( 26 ) タグの人気記事

2019年 05月 20日
分けること、分かること
e0273912_6474687.jpg先週末は、第3回基本ゼミでした。左画像は、ゼミ後半に行われた「欠損歯列の見方と処置方針」のタイトルです。受講生から集まった症例を(KA367での小文字を抜いた)残存歯数順に並べただけですが、見較べてみると不思議と似通った症例が隣り合っていたりして、思いの他興味深い画像になりました。

”分類とは物事を認識するために作った便宜的な枠組みで、目的に応じて使い分けるべきである。”
”分類する場合には「その他」の項目を作るべきである。分類に困る境界領域の中に、新しい発見が潜んでいることが少なくない。”
”「分かる」とはその分類体系が分かることであり、「わかり合う」とはその体系への共通認識を持っていることである”

金子図書館の蔵書「分けること・わかること」からの抜粋ですが、「理解」するとはどういうことなのか?興味がある方にはオススメの一冊です。ここでいう「分ける」には、「分析」と「分類」との二つの意味があるようですが、今回の話題に関しては「分類(ことわけ)」の論理の項が役に立ちそうです。


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by nakadateshika | 2019-05-20 06:48 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 05月 10日
欠損歯列の見方と処置方針
e0273912_7452033.jpg来週は、令和最初の基本ゼミです。二日目午後のテーマ「欠損歯列の見方と処置方針」に向けて、受講生が悩んでいる症例を募集しました。口腔内写真や画像調整など、慣れないうちは資料提出だけでも難しいことですが、今年は例年よりも集まりが良く運営側としては大助かりです。

一方症例に関しては例年通りで、誰がみても難しい!!と感じるような症例が集まってきています。ベテランであればひと目で全体像を直観し、その問題点と処置方針、さらには術後の経過まで、即座にパパパッとイメージできるのだろうと思いますが、経験が少ない若手にとってはそういう訳にはいきません。そもそも何が難しいのか、どこで悩んでいるのかを的確に把握すること自体が、それほど容易なことではないからです。越えなければいけない壁はいくつもありますが、まずはKA367の意義を知り、複雑に絡み合った問題を解きほぐすことが、その第一歩なのではないかと考えています。

by nakadateshika | 2019-05-10 07:45 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 04月 12日
口腔内写真の処方箋
e0273912_7434426.jpg口腔内写真の設定等について、基本ゼミ受講生の先生方とやりとりをしています。関係者の紹介で受講されている先生方が多いこともあって、以前にくらべると器材のバラツキはだいぶ減ってきたようです。ただ、今回は60mmマクロとキャノンストロボを使用されている方が多く、(設定やミラーが異なるので一概には言えませんが)比較してみると、前歯部と臼歯部での歪みや露出の不安定さが気になります。

それに対して、(金子先生から頂いたアドバイスをもとに)受講生へ送った処方箋が左画像です。すぐさま器材一式買い換えられた方、中古で捜索中の方、レンズ交換だけ検討中の方などなど、受講生の反応は様々ですが、みなさん土竜ブログのデジカメタグを参考に、口腔内写真についてイチから勉強されているようです。それにつられて自分自身も見直していますが、今になって改めて気づかされることが盛りだくさんです。受講生は勿論ですが、ゼミOBの先生方にも記事再読を是非ともオススメいたします。

by nakadateshika | 2019-04-12 07:44 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 04月 01日
歯科臨床に必要なこと
e0273912_18223283.jpg今年もいよいよ基本ゼミがスタートしました。まずは金子先生のオリエンテーションから始まりましたが、「歯科臨床に必要なこと」と題されたプレゼンの中には、(誰もが知りたい)その答えに近づくためのヒントがギッシリと詰まっていました。

「先人の歩みから学ぶこと」、「ヒストリーを大切に、推論を立て、経過観察から学ぶこと」、「自身の症例を比較・検討し、法則性を掴むこと」等々、冒頭から金子臨床のエッセンスが全開の内容でした。そのどれもが「歯科臨床に必要なこと」ですが、そういった答えに辿り着くための原動力が「臨床を楽しむ心」にあったのだ、ということをプレゼンの随所から感じました。

”始めをきめる推論も 実りを味わう観察も しごとを楽しむ心から”

以前のゼミ卒業生に向けて金子先生が贈られた言葉だそうですが、何とも味わい深いお言葉です。午後に行われた千葉先生の講義も、その緻密な推論と観察力には誰もが圧倒されますが、そのストイックな姿勢を支えているのも「臨床(しごと)を楽しむ心」にあるように感じました。

”之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず”

今話題の渋沢栄一の名著「論語と算盤」に引用されている論語のコトバです。長いようで短く、短いようで長い歯科医師人生、思うに任せないこともままありますが、いつでも楽しむ心を忘れずにいたいものですネ。

by nakadateshika | 2019-04-01 08:18 | 歯科臨床 | Comments(0)
2019年 03月 24日
保存の限界と治療方針
e0273912_7312210.jpgもくあみ会からの流れで、関連する過去の文献を紐解いてみました。30年以上前に発刊された書籍であり、その間には器材だけでなく専門的な知識や技術、その多くが飛躍的に進歩しました。しかし、歯科臨床における「見立て」の難しさについては本質的にはあまり変わっていない、というよりも様々な選択肢が増えた分だけ、むしろ難しくなっているのかもしれません。

”咀嚼器官としての歯の働きは、それが失われた時には人工的な修復物に置換されるというような、単純な答えで満たされるものではありません。神から与えられた精巧な器官は、どんな人工物にも優るものであろうと思います。
それゆえに、1本の歯を治療する歯科医師の使命は重大であり、その価値を知っているからこそ、日常の臨床で迷い、模索しながら、より望ましい診療のあり方を求めて対処しているのが実状ではないかと思われます。
しかし、ここ十数年の間に器材の発達、学問的な究明、さらには予防歯科の考え方が導入されるに至って、(1歯単位の視点だけでなく)口腔単位・個人単位の生涯治療を目標に対応しなければならなくなってきました。それはさらに、ホームドクターにまで発展するような、患者と医師との人間関係の樹立のもとに治療を考えることが必要となってきております。このことが、機能的にも人間的にもトータルで診る総合診断の必要性が強調されるゆえんであります。”

by nakadateshika | 2019-03-24 06:16 | 歯科臨床 | Comments(0)
2018年 10月 28日
変わってくこと、変わらずにいること
e0273912_7193159.jpg今週末は、臨床基本ゼミでした。最終回となる今回は、毎年恒例の受講生ケースプレが行われました。以前に比べると、(口腔内写真などの)資料採りには慣れている先生も多かったのですが、ケースプレの準備にはかなり苦労されていたようです。それでも全員無事に発表を終え、開始前には青ざめていた顔も、発表後の集合写真では満面の笑みに変わっていました。

”大事なのは変わってくこと、変わらずにいること”

二次会はカラオケ大会でしたが、某先生が熱唱されていたこのフレーズが心にズシンと響きました。午前中は「長期経過症例から見えるもの」というテーマでしたが、生体も補綴物も時に残酷なぐらいに変わり続けるということ、その一方で、セメントやパノラマといった変わらない視点を持ち続けていたからこそ、その変化を的確に捉えられるのだということを痛感しました。万物流転、動的平衡といった生命の大原則を受け入れるとともに、それらを見つめるうえで、揺るぎない視点や視座を持つことが、臨床において何よりも大事であるということを再認識しました。

う蝕や欠損の減少、超高齢社会に伴う問題など、歯科を取り巻く環境も目まぐるしいスピードで変わり続けています。そういった変化から取り残されずに自分自身も変わっていくことは必要不可欠ですが、患者さんと長く寄り添っていくこと、その中で生じる変化を注意深く観察すること、そしてその足跡を記録していくこと、といった基本ゼミの真髄は、変わらずに持ち続けていかなければならないと改めて感じました。

by nakadateshika | 2018-10-28 15:37 | 歯科臨床 | Comments(0)
2018年 09月 25日
欠損歯列の見方と処置方針
e0273912_07520387.jpg「欠損歯列の見方」なんてものがあるのかネ?

開始5分前にボソッと呟かれたその本質的な問いかけ(物言い)に、発表を控えていた僕の心臓は破裂寸前でした。しかし改めて考えてみると、60年以上の経験を持つ先生が未だにその命題を問い続けているというその事実が、「欠損歯列・欠損補綴」というテーマの難しさをまざまざと物語っています。

今回のゼミでは、金子先生・設楽先生の圧倒的な症例がいくつも提示されました。両先生のレベルまでには越えるべきハードルがありすぎて、途方にくれてしまうのも無理はありません。しかしまずは一症例、(宿題症例のように)悩んでいる症例とじっくりと向き合い、その歩みを振り返ることが両先生に近づく第一歩となり、さらにその次の一歩につながっていくのではないかと思います。僕自身も一症例一症例を大切に、欠損歯列をジックリ学んでいきたいと思っています。

「23歳」の受講生症例が話題を集めていましたが、ちょうどこの日は学長87歳のバースデイでした。(ブログその他の障壁にもめげずに)ご自身の知識や技術を若手に継承することを、未だ諦めずに過ごされている姿には、本当に頭が下がるばかりです。

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by nakadateshika | 2018-09-25 07:52 | 歯科臨床 | Comments(0)
2018年 05月 28日
伝わるプレゼンテーション
e0273912_12584142.jpg先週末は、第3回臨床基本ゼミに参加しました。

前半戦(一日目と二日目の午前)は須貝先生の講義で、咬合誘導・う蝕のテーマが中心でした。しかし子供への対応だけでなく、(小児から高齢者まで)あらゆるライフステージに対応できる幅広いスキルを身につけることがGPには必要である、ということをお話していただきました。近年の歯科界は益々専門化が進んでいるようにも感じますが、「世代を超えて患者さんと向き合う」ことが、歯科臨床の独自性であり本質であると考えた時、少なくとも基本的な技術と知識は幅広く持っておかなければならないと改めて感じました。受講生にもその思いが充分伝わったようで、懇親会では須貝先生の講義に対する絶賛の言葉が相次いでいました。

最後のパートは、「画像管理と画像調整」というテーマでお話する機会を頂きました。「最終ケースプレで伝わるプレゼンを行うために必要なこと」をお伝えするための時間だったはずなのですが、残念ながらその反面教師になってしまったようです。須貝先生の「伝わるプレゼン」とはまさしく好対照でしたが、その違いから感じたことはプレゼンには何よりもリアリティが必要だということです。デジタル画像で魅せることも大事な要素ですが、実際の臨床記録から感じたこと・考えたことを聞き手に伝えたいという真摯な思いが、何よりも重要だと痛感しました。

「失敗こそが最高の師」

このところ、プレゼン関係は空振り続きで些か憔悴気味ですが、マスターヨーダの言葉を胸に少しずつでも成長していきたいと思っています。







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by nakadateshika | 2018-05-28 12:58 | Comments(0)
2018年 04月 18日
基本もなかなか難しい
e0273912_8323158.jpg下の子が今年から小学生になりました。持って帰ってきた学年便りには、学びの基本・生活の基本が書かれていましたが、よくよく見てみると40歳になった今でも実践できているか怪しいものばかりです。
今週末に行われる基本ゼミ(第2回)では、間接法の基本・歯冠修復の基本が予定されていますが、どんな基本も、継続して実践し本当の意味で身につけることは、とても難しいことだと感じています。

by nakadateshika | 2018-04-18 08:22 | Comments(0)
2018年 03月 27日
基本ゼミ2018〜深は新なり古壺新酒〜
e0273912_13464543.jpg先週末から、新年度の臨床基本ゼミが始まりました。全体を振り返ってみると、「新」に満ちあふれた二日間だったと感じました。

1.日々是新(エトバス・ノイエス)
”近ごろの若い人々には、どうもマニュアル人間が多いようです。どんな世界でもそうですが、人と同じことをやっていたのでは、世の中に革命は起こりません。個性を大いに伸ばして、あらゆることに好奇心をもって、何か新しいこと、ちょっとおもろいことを始めて欲しいものであります。仮に失敗しても若いうちは、むしろそれは財産になります。かけがえのない宝になります。失敗を覚悟で人と違ったことを「やってみなはれ」と言いたいのです。”(佐治敬三

金子先生も敬愛する佐治敬三さんのお言葉ですが、オリエンテーションでお話されたご自身の歩みは、まさに日々是新の連続であったのではないかと思います。全顎補綴、口腔内写真に纏わるヒストリーは、そのまま現代に転用できる話題ではないのかもしれないですが、新たなものに挑戦し、それによって生じる問題点に全力で対峙されてきた悪戦苦闘の歴史、その姿勢からは学ぶことばかりです。

2.深は新なり
2008年に基本ゼミを受講し、歯ってこんなに残せるものなんだ!と心の底から驚いたことを今でも覚えています。あれから10年、千葉先生のお話を聴いて、その臨床の奥深さに改めて衝撃を受けました。”観察とは、物事の真の姿を間違いなく理解しようとよくみることである。(広辞苑)”
講義の最後に、「観察」することの重要性とその面白さについてのお話がありました。1枚のデンタル、1本の根管、そして1本の歯。その一つ一つの処置へのこだわりとクオリティの高さが「深は新なり、深は真なり」の礎であるということを実感するとともに、自分の至らなさを反省した次第です。

3.新進気鋭
今年度から新たに、関口先生が講師に加わりました。年齢は僕より数年上ですが、見た目も若く色々とアクティブな先生なので、いつも刺激を受けています。今回はマイクロの動画を使った講義でしたが、とても綺麗でビックリしました。

4.古壺新酒
「古壺新酒(ここしんしゅ)」は、高浜虚子が俳句のスローガンとして掲げていた標語です。”古い形式(伝統)を守ったうえで、そこに新たな発見や感動を加えていくことが俳句のあるべき姿である。”
歯科臨床も時代とともに移り変わりが激しい世界ですが、臨床の基本を大切にすること、そしてそれを礎として、自分なりに新しい何かを発見していくことの大切さを改めて感じた二日間でした。そしてまた、基本ゼミという壺に新たに入られた先生方とともに、その熟成度を高め合うことができたら良いなと思っています。

by nakadateshika | 2018-03-27 07:32 | Comments(0)