タグ:臨床診断 ( 7 ) タグの人気記事

2018年 12月 05日
なんかよう会
e0273912_07253500.jpg昨日は今年最後のなんかよう会でした。予想外のスペシャルアドバイザー参戦に、いつもの100倍ぐらい緊張感がありましたが、その分充実度も100倍の最終回になりました。

会が始まる前には、臨床診断に関わる貴重な別刷りを頂きました。早速読み返してみましたが、「ひと」をみることの難しさと大切さを改めて感じました。またこの対談の中では、ケースプレを通した討論の重要性についても指摘されていましたが、ディスカッションの中で(反論されることで)教えられるというのはまさに実感するところです。火曜会のようにベテランの先生からの指摘も勿論勉強になりますが、同世代の先生からの反論から気づかされることも多々あります。途中退場が多く申し訳ないと思うことも多いですが、来年も頑張りたいと思います。


by nakadateshika | 2018-12-05 07:17 | 勉強会・講演会 | Comments(0)
2018年 07月 04日
方法序説
e0273912_7543139.jpg「ワレ惟ウ、故にワレ在り」で有名なデカルトの名著、方法序説を読みました。100ページぐらいの薄い本なのですが、”学問の方法”に関して、参考になるポイントが随所に散りばめられていました。

・最も単純で、最も認識しやすいものから始めること
・即断と偏見は避けること
・難問については、小部分に分けて考えること
・最終的には、それぞれの部分を統合して考えること

これは「学問(真理探究)の4原則」だそうですが、歯科臨床にも通じる大切な考え方だと思います。
さらにデカルトは、前例と習慣を信じすぎないこと、理論よりも実践が大事であること、そしてそこから得たものを周囲に伝えることの大切さについても、繰り返し強調しています。

今週末の語る会では、金子先生による「補綴臨床60年」が披露される予定です。その歩みを振り返ってみると、その道筋はまさしくデカルト流!しかも今回は、出し惜しみなしの大盤振る舞いとのことですので、そのヒストリーから導き出された補綴臨床の真髄を聞き漏らすことのないよう、集中して臨みたいと思います。
また今回のご講演は特別に、語る会会員以外でも聴講可能です。ご興味のある方はこちらのアドレスをご参照ください。

by nakadateshika | 2018-07-04 07:54 | 書籍・映画・テレビ | Comments(0)
2017年 07月 26日
Science & Art
e0273912_08124645.jpg昨日は、火曜会の例会でした。今回は若手・中堅・ベテランからの3演題でしたが、いずれも欠損補綴(機能回復)がテーマだったように思います。機能回復は、(保存治療や予防に比べて)客観的評価がしづらいだけに、再現性や因果律を基盤とする科学(science)にとっては苦手な分野で、経験や勘、そして技術(art)といったものが大きく関わってくるようです。

”Medicine is a science of uncertainty, and an art of probability.”

オスラーが残したこの言葉は、シンプルであるがゆえに難解ですが、それだけに奥深さがあります。医療について、(オスラーが尊敬していた)プラトンは「つまり医術とは患者の本性を考察し、また自分が行う処置の根拠をもよく研究していて、そして一つ一つのケースについて理論的な説明を与えることができる技術である。」と述べています。
これらを考え合わせてみると、医療の対象となる”ひと”は(常に変わりつづける)不安定で予測しづらいものだが、(処置の根拠や一般性を見出すためにも)できる限り科学的な思考や態度で臨むべきである。と同時に、予後を感じ取る(未来を予測する)ために必要な経験や勘を培うことも重要であり、医療とはその二つ(サイエンスとアート)を相互に関連させることによって成り立つものである、というような意味合いのように感じられます。
そう考えてみると、サイエンスとアートを結びつける手立てとして、仮説思考やプロビジョナル、そして術後経過観察がとても重要であるということを改めて感じました。


by nakadateshika | 2017-07-26 12:22 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 06月 07日
診断力は臨床力
e0273912_6155558.jpg”総合診断は、自分の医療の鏡像としても機能し始めた。我々は、鏡に映った自分の全体像を見て、初めて統一性のある自分を発見できるように、総合診断という全体像を通して自分の医療の実態を知ったのである。そして同時に、医療の対象である患者の全体像を知ることにもなった。(火曜会かわら版)”

診断(総合診断・臨床診断)に、何を求めるのか?それによって色々な捉え方はできると思いますが、自分としては三宅先生の書かれているイメージがシックリきています。歯科臨床では、患者要素、術者要素、環境要素、さらに時間的要素まで加えると、客観的で絶対的な診断を下すことが極めて難しい、というよりほぼ不可能とさえ思えてきます。ただ、自身の臨床が渾然一体となった臨床診断(原因探索・病態評価・予後・治療目標)を整理して、できるだけわかりやすくアウトプットすることで、目指すべき方向性や課題が明確になります。そしてそれは、患者術者双方にとって非常に有益なものであり、自身の鏡像である診断を再評価することで、臨床力も向上するのではないかと考えています。

”「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ」という草枕の冒頭の言葉が重みを増して思い出される。(臨床診断)”

総合診断へのアプローチから10年という名論文の末尾はこのように締めくくられています。最初読んだときにはよく理解できませんでしたが、診断に関わる色んな文献を読んでから改めてこの一文を読み返してみると、その意味する重みが漸くわかってきました。
総合診断には、術者の心理を司る三要素(智・情・意)、ギリシャ哲学風にいえば ロゴス(客観的思考力)・パトス(感受性対人力)・エトス(主観的自律力)、その全てが関わるもので、それを術者間で共有するということがいかに難しいことなのか。それと同時に診断力を向上させるためには、知情意すべての力をバランスよく育んでいく必要があるのだということを示しているように思えます。

今回自分なりに、診断についてあれこれ考えてみました。結局は、先人の考察されていた内容から一歩も抜け出すことはできませんでしたが、その経緯を知り自分なりに理解することで、歯科医療というものの奥深さを改めて感じました。歯科臨床において診断とは何か?という答えにはまだ程遠いですが、今後も考え続けていきたいと思います。

e0273912_714886.jpg

by nakadateshika | 2017-06-07 06:16 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 04月 27日
一般論 ↔ 個別論
e0273912_8474248.jpg”医療における診断とは、患者をどのようにマネージメントしたらよいかを知るための知的分類作業である。(内科診断学)”

”治療というのは診断によってカテゴリー化されたものを、もう一度バラバラにほぐして患者個体のレベルに帰し、その一人一人の具体的な患者をコントロールしようとする営みです。診断が認識論なら、治療は制御論であり、個別化の過程です。(医者と患者と病院と)”

”診断とは、疾患(disease)と病気(illness)をつなぐ架け橋のようなものである。(メジャー診断学)”

歯科臨床では、個別性を無視するわけにはいきません。しかし最初からそこにとらわれすぎてしまうと、全体像を見失う恐れがあります。一般論から個別論へ、この流れが正解への近道のように思われますが、そのステップにおいてKA367やデンチャーイメージがもたらす恩恵は極めて大きいのではないかと感じています。また、そうした個々の症例を積み上げていくことが、新たな一般論を築く礎となるのではないでしょうか。

by nakadateshika | 2017-04-27 06:02 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 04月 24日
火曜会かわら版
e0273912_8384650.jpgこちらの小冊子には、火曜会会員の先輩方とその周囲の方々が考える「総合診断」がまとめられています。診断について学ぶうえでは、とても参考になる記事ばかりなのですが、筆者の方々の観察力や洞察力、そして何よりその文章力にはただただ圧倒されるばかりです。

”総合診断は、自分の医療の鏡像としても機能し始めた。我々は鏡に映った自分の全体像を見て、初めて統一性のある自分を発見できるように、総合診断という全体像を通して自分の医療の実態を知ったのである。”
”口腔単位の治療の拠り所としての診断を仮想し、これまでの歯科の診断と対比して総合診断という言葉を用いたことには、症例への対応だけでなく、歯科医療のあり方に対する願望も秘められていた。”

「総合」ということばの中に、各対象(術者・患者・歯科医療)の空間的・時間的要素をどこまで含めるのかによって、総合診断の難易度は大分変わってきそうです。自分の能力を踏まえて考えてみると、診断はあくまで「一面のかた」と割りきって、その不足分は経過観察で補うというのが現実的なように感じています。

by nakadateshika | 2017-04-24 08:39 | 歯科臨床 | Comments(0)
2017年 04月 23日
総合診断へのアプローチ
e0273912_5521090.jpg前回のもぐら塾には間に合わなかった臨床診断について、再考しています。講義の中でもご紹介されていた豊永先生や国島先生をはじめ、著明な先生方が自身の臨床診断についての考えをまとめられていて、今読んでみても学ぶことが満載です。

”複雑、多様化していく歯科医療のなかで、歯科医師が本来行わなければならない役割が何であったのか(金子先生)”
”診断と治療方針というのは難しいものであり、患者によっても術者によっても変わるものであると思う。自分の未熟さを補うために、常に慎重に考え行動するように心がけ、チェックを繰り返し、書物から学び、患者から学ぶ毎日である(国島先生)。”
”総合的な診断の目と、基礎的診療やラボワークに対する細かい注意の積み重ねとが、患者の口腔を長期にわたり大過なく経過させることを忘れてはならない(豊永先生)。”

「術式は以前のものであっても、物事を的確に見つめていた先駆者たちが残した書物から学ぶことは極めて多い。」と、(平静の心で有名な)オスラー博士は述べています。時代とともに”how to”は変わりますが、”what to do”はそれほど変わらないものだと思うので、こういった本は是非とも残していくべきだと思います。

by nakadateshika | 2017-04-23 05:50 | 歯科臨床 | Comments(0)